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横浜市長選、最多の10人立候補へ 再選挙の可能性も

横浜市長選への出馬を表明した松沢氏(20日、横浜市)

横浜市長選(8月8日告示、22日投開票)は7月20日までに10人が立候補を表明し、過去最多の候補者数となる見通しだ。現職、国会議員、前知事、大学教授など多彩な顔ぶれが集まる一方で、候補者の乱立でいずれも当選に必要な「法定得票数」に届かず、再選挙になる可能性も指摘されている。

20日に立候補を表明したのは前神奈川県知事で参院議員の松沢成文氏(63)。松沢氏は最大の争点であるカジノを含む統合型リゾート(IR)について「カジノ禁止の条例をつくる」と反対する姿勢を示した。来週にも所属する日本維新の会を離党し、無所属で出馬する。

市長選には、現職の林文子市長(75)、自民党の小此木八郎前国家公安委員長(56)、立憲民主党が推薦を決めた横浜市立大元教授の山中竹春氏(48)、元長野県知事の田中康夫氏(65)ら9人が既に立候補を表明。市選挙管理委員会によると、戦後の市長選で候補者が最も多かったのは1982年と98年の6人で、今回は最多更新の公算が大きい。

公職選挙法では、当選するために最低限必要なライン「法定得票数」を定めている。それを下回った場合は、最多得票者も当選とはならない。少数の支持しか得られていない候補が当選しても本当に全体の利益をバランス良く考えられるのかという懸念があり、それを払拭するため法定得票数が設定されている。

首長選では最多得票者の票数が有効投票数の「4分の1以上」に達しなかった場合に選挙をやり直す。有権者や候補者に14日間の異議申立期間を置き、申し立てがなかった場合、それから50日以内に再選挙が実施される。政令市では2003年の札幌市長選、最近では18年の千葉県市川市長選が再選挙だった。

公選法で首長選の法定得票数が有効投票数の4分の1以上と規定されたのは、1952年の改正から。戦後間もないころは「(首長選挙では)有効投票の8分の3以上の得票数に達しない時は(上位2人による)決選投票を行う」との規定があった。しかし、首長選の決選投票が多発したため、「8分の3」から「4分の1」にハードルを下げると同時に決選投票が廃止された。

再選挙では前回の投票結果が無効となるため、候補者の制限はなく誰でも立候補できる。再選挙でも4分の1以上に達しなかった場合は何度でも再選挙を繰り返すとしており、候補者がもっと増えて混乱が深まる事態も懸念されている。

さらに有権者と候補者が異議申し立てをすれば、再選挙の手続きが遅れ「首長不在」が長期化する可能性がある。実際、18年の市川市長選では約4カ月間、市長ポストが空席となった。

これまでも再選挙が行われるたびに公選法の改正の必要性が叫ばれたが、1回目の再選挙で決着したため議論は棚上げされた。海外の場合、上位者だけで決選投票を行うケースが多い。今回の横浜市長選の結果次第では、決選投票の導入など制度の見直し論が改めて浮上するかもしれない。

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