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欧州事業で相乗効果生む タダノ・氏家新社長に聞く

建設用クレーン大手、タダノの新社長に4月就任した氏家俊明氏は丸紅出身。創業家以外で初めて経営トップを任された。新型コロナウイルス禍で需要が落ち込み、2021年3月期に過去最大の赤字を計上するなど難しい局面でのかじ取りを担う。今後のカギを握るのは「買収した欧州事業との相乗効果」(氏家社長)と強調する。

――4月に発表した中期経営計画では、24年3月期の売上高目標を2750億円(前期は1860億円)としました。達成に向けた一番のポイントは何でしょうか。

「従業員の半数が海外にいる企業としての強みを生かし、推進することだ。ONE TADANOと呼んでいる。米社がドイツで展開していたクレーン事業の『デマーグ』を19年に買収し、それまでタダノにはなかった超大型クレーンが製品レンジに加わった。彼らのもつ技術や知見を集め、タダノというグローバルグループを作る。買収したからといって、上から目線ではいけない」

「生産、販売の両面から効率化を進める。1990年に買収したドイツ子会社のファウンとデマーグには、同じカテゴリーのクレーンがある。製品ラインアップを集約し、仕入れの共通化や、部位ごとの生産分業を進める。競合として取り合っていた市場になるので、販売面でも一本化していく」

――欧州と日本の双方に拠点がありますが、どのような相乗効果を生んでいきますか。

「タダノが日本で培ってきたアフターサポートには競争力があると考えている。一つがクレーンの圧力などデータを取得して管理し、異常があった場合の改善策につなげる仕組みだ。業界全体でデータ利用は遅れているが、タダノは早くから対応してきた。これからはデマーグ製品の標準装備とすることにした」

「デマーグ買収で得た超大型クレーンで新しい需要を開拓する。日本、台湾の洋上風力発電所建設に伴うクレーン需要を取り込む。欧州の市場特性に沿った製品なので、日本に合わせて変更する部分はあると思う。台湾はサービス・営業部隊がサポートできるエリアなので、日本企業の方が市場に入りやすい面があると考えている」

――環境意識が世界中で高まっています。

「当社のクレーンは全てディーゼルエンジンで動いており、電動化など対応を進めなければいけない。今後ドイツに研究拠点を設けて技術開発を進めていく。ゆくゆくは成長が見込めるインドにも設置し、日本と3カ所で研究開発できる組織にしていきたい。外部からきた人間としては、環境対応はもっと早くからやろうよと、感じていた部分でもある」

――よそ者の視点ですね。

「ファウンとデマーグの黒字化に向け、ドイツで事業再生手続きを申請したのもそうだ。やってはいけない、縁がないという感覚があるのかもしれないが、私はそうは思わない。現地で雇用を生み、事業をより良くするために制度が必要なら間違いなく利用する。企業にとって最も良い手段を使うことは自然なことであり、それが『ばか者』とか『よそ者』と表現されて求められていることなのだと思う」(聞き手は桜木浩己)

うじいえ・としあき 東京都出身。84年(昭59年)慶大経卒、丸紅入社。17年常務執行役員。20年タダノ副社長。

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