静岡県袋井市、コニカミノルタと協定 業務効率化で

静岡県袋井市は18日、コニカミノルタと行政事務の効率化で連携協定を結んだ。同社による業務調査で庁内の諸業務の性質や作業時間などを分析し見える化。結果に応じて不要な作業を見直したり、ICT(情報通信技術)を導入したりして業務の効率を高める。
コニカミノルタが実施する自治体向けの「全庁業務量調査」を無償で受ける。各部署の業務を細かく分け、作業の件数や時間をはじめ、紙媒体の作業かどうか、押印が必要かどうかなどを把握。人工知能(AI)も使って分析し、効率性を表やグラフに見える化する。業務は公務員がすべきものやICTで補えるものなどに分類する。
調査済みの全国50以上の自治体のデータを参照でき、同じ分野の効率化で工夫した点なども参考にできる。
大場規之市長は「職員の事務負担を減らすために欠かせない取り組みだ」と話した。デジタル化の推進にもつながるとみる。調査結果は2022年2月末にまとまり、来年度からICT導入などの対応に着手する考えだ。
大場市長「国のシステム標準化見据える」
人口減少や新型コロナウイルスの流行など、社会環境の変化に応じた行政運営が問われるなか、袋井市はデジタル化の推進などで庁内の業務効率化に力を入れてきた。連携協定締結の狙いなどについて大場市長に聞いた。

――協定を結んだ背景は。
「袋井市は業務の効率化に早くから取り組んできたが、まだ改善の余地は多いはずだ。また、限られた財源を有効に活用し市民サービスを提供していかなければいけない。コニカミノルタの調査で庁内の業務効率を全て見える化できると聞き、すぐにやるしかないと考えた」
「国が進める自治体情報システムの標準化も見据えている。共通のシステムを導入する前に、まず業務の工程を自治体間で統一しておく必要がある。同社のツールでは業務工程の将来あるべき姿をパターン化する。自治体はこれに沿って業務を統一しやすくなる」
――市長は民間企業で長く業務改善に携わってきました。
「行政にはまだ非効率な部分が多いと感じる。ただ、民間では素早く改革できても、行政では市町の意向だけで変えられない仕組みも多い。国が規制緩和を進めた時にすばやく対応できる態勢をとっておくことが大事だ」
(聞き手は北戸明良)
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