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静銀、山梨中銀本店に証券子会社拠点 提携戦略が加速

静銀ティーエム証券山梨本店の開設式典に出席した静岡銀行の柴田頭取㊧と山梨中央銀行の関頭取(20日、甲府市の山梨中央銀行本店)

静岡銀行の証券子会社である静銀ティーエム証券は20日、山梨中央銀行本店(甲府市)内に拠点を新設した。山梨中銀の顧客に対し金融商品やサービスを提供する。両行は2020年10月、包括業務提携「静岡・山梨アライアンス」で合意して以降、複数の共同プロジェクトを同時に進めてきた。両行の経営資源を相互に活用しあう提携戦略が加速し始めた。

「提携で合意した時から(拠点開設を)メルクマールと位置づけてきた。予定通り開設できたことは大きな一歩だ。これを契機に(提携の)取り組みを発展させたい」

静岡銀の柴田久頭取は20日の「静銀ティーエム証券山梨本店」の開設式典でこう強調した。

山梨中銀の関光良頭取は「合意から半年もたたずに開設できたことは意義深い。(富士登山に例えるなら)3合目くらいまできた」と語った。

山梨本店は山梨中銀本店の2階にあり、15人体制で証券業務にあたる。山梨中銀は株式や債券など証券の取り扱いが一部店舗にとどまっていた。今後は専門的な知識が必要な金融商品を求める顧客をティーエム証券に紹介するほか、出向する7人の職員が証券分野のノウハウを取得する。

静岡銀の柴田頭取は「(拠点は)双方の銀行にとってメリットがある」と指摘。山梨本店の業務が順調なら、他の山梨中銀の店舗への進出も検討する考えを示した。

両行の業務提携は21年に入ってから、徐々に具体化してきた。

静岡銀は1月から山梨中銀の行員2人をソリューション営業部と市場営業部に受け入れ、ストラクチャードファイナンス(仕組み金融)やシンジケートローン(協調融資)などのノウハウ共有を進めている。2月からはイノベーション推進室にも1人受け入れ、デジタルトランスフォーメーション(DX)分野の新規事業を共同開発する。

顧客向けサービスでも連携している。1月にM&A(合併・買収)に関する協定を締結。M&Aに関心がある顧客を紹介しあうほか、企業評価などM&Aに必要な情報やノウハウを共有する。

顧客企業の販売機会を増やすため2月に中日本高速道路(NEXCO中日本)のサービスエリア(SA)・パーキングエリア(PA)のテナント向け商談会を開いたほか、3月には山梨県内でスーパーを展開するオギノ(甲府市)とのオンライン商談会を開催した。

事業効率化も共同で進めている。2月に東京都内の企業が提供する登記情報提供サービスを共同で導入した。グーグルマップ上で全国の地番や路線価を確認できるほか、登記情報を取得・管理できる。不動産関連融資の担保物権調査にかかる時間を削減する狙いだ。

国内各地の地方銀行が生き残りをかけ連携を模索するなか、両行は双方の独立性を維持しながら経営資源を利用しあう提携に活路を見いだした。アライアンスを通じて5年間で両行合計で100億円の収益改善効果を見込む。具体化し始めた施策の真価が問われる。

(静岡支局長 原田洋)

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