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金沢の官民、中高生に「IT部活」 起業の知識も

金沢市の官民が中高生向けの「IT(情報技術)部活」を立ち上げる。学校の部活では飽き足らない生徒を集め、プログラミングのほか知的財産といったビジネスに直結する知識も教える。企業のベテランによる実践的な指導で若いうちから人材を育て、地域のデジタル化や起業の推進力にする。

金沢市と、IT関連企業で作る石川県情報システム工業会が10日、「金沢IT部活」を創設する。IT関連サービスのPFU(石川県かほく市)、情報システムのシステムサポートといった工業会の会員が運営の中心となる。

9月中旬、金沢市の中高生らを対象に入部説明会があった。「新しい産業の基本となるのがICT(情報通信技術)。将来、IT部活を卒業していった人たちが石川県のために新しいビジネスを考えていただきたい」。同工業会の副会長を務めるPFUの宮内康範取締役が入部を呼びかけた。

金沢市内在住の中高生らが対象で、定員は15人程度。プログラミング教室の経験者のほか、学校の科学系部活に満足できないなど高いレベルの生徒らの入部を期待する。火曜日と木曜日の夜と月2回の日曜日の午後に活動する。在籍期間はおおむね2年間。金沢市が8月に開設した新ビジネス創出拠点「金沢未来のまち創造館」を会場にする。

あえて「部活」と名付けたのは、個人のスキルに合わせて、ITを生かしたものづくりやソフト開発に挑むとのコンセプトからだ。PFUで入社30年以上の2人の技術者が講師となるほか、メンター(助言者)として金沢大学と北陸大学の学生が協力する。同工業会は「酸いも甘いも知っている技術者が中高生をサポートする」と話す。

ロボットやプログラミングの大会、大学生と連携したビジネスコンテストに参加するなど「対外試合」も計画する。金融や会計、プレゼンテーションの方法といったビジネスを意識したカリキュラムも用意する。

中高生にとってはキャリア形成や進路設計の場になる。講師の1人、PFUの久保田旭さんは「みんなが作りたいモノをつくっていくのがコンセプト。将来はベンチャー企業を作る若者が出てくれたらうれしい」と話す。

県情報システム工業会は2020年12月、金沢市に新産業創出について提言。金沢未来のまち創造館を活用したIT部活を打ち出し、実現につながった。同創造館は子どもの独創力の育成を目標の一つに掲げ、3Dプリンターなどを備えた創作・工作スタジオもある。金沢市は「館内ではすでに主に小学生向けの活動が始まっており、次のステップとしての中高生向けのIT部活に期待したい」という。

全国的にIT人材の争奪戦が激化しており、県情報システム工業会の会員企業の中には技術者の確保に苦労するケースも目立つ。IT部活は参加・協力する中高生や大学生に県内企業の知名度を高める狙いもある。国内でも大学生で起業する人が増える中、早期にビジネスの感覚を身につけたい中高生には、視野が広がる好機になる。(石黒和宏)

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