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アルビス、ネットスーパー始動 共働き率3位富山で競争

北陸最大手のスーパー、アルビスが22日にネットスーパーを始める。顧客はスマートフォンで注文し、店舗で商品を受け取る。同じく富山県に本社を置く大阪屋ショップ(富山市)も2022年秋、楽天グループのプラットフォームを使い配達型のネットスーパーを始める。ともに富山県が全国3番目に比率が高い共働き世帯を狙う。サービスの構築力が問われる。

アルビスは22日から、富山県高岡市の丸の内店で商品を受け取れるようにする。顧客は前日までにアプリで注文し、正午~午後8時の間で2時間単位の計4区分で受取時間を指定する。店舗の駐車場で到着したことを知らせると、店員が商品を車まで持って来る。

税抜き2000円以上の購入が条件で、1回あたり220円の利用料がかかる。最大で1日80人の利用を想定する。23年3月期中に、富山県と石川県の計5店前後で受け取れるようにする。食材と調味料がセットになったミールキットなどの発売も検討し、調理の時短ニーズにも応える。

北陸3県は首都圏などに比べて、ネットスーパーの普及が遅れていた。スーパー各社は新型コロナウイルス禍で店舗の混雑を抑えるために、様々な販売方法を模索し始めた。アルビスは20年に移動販売を始めた。ネットスーパーも多様なニーズを拾う戦略の1つだ。

同社の石田康洋取締役は「北陸は共働き世帯が多く、自動車の保有率が高い。地域に合うネットスーパーを、と考えた結果、仕事帰りに車で商品を受け取れる形式にした」と話す。

総務省の17年の「就業構造基本調査」によると、共働き世帯比率が最も高いのは福井県の60%。3位に富山県(57.1%)、4位に石川県(56.1%)が入る。1世帯あたりの自家用車保有台数(19年度)も福井県が首位、富山県が2位、石川県が13位といずれも上位だ。

富山県内でアルビスよりも4店多い40店を持つ大阪屋ショップは、電子マネー「楽天Edy」やポイントで連携関係にある楽天グループの陣営でネットスーパーに参入する。共働き世帯に照準を合わせるが、アルビスとの違いは配達型で始める点にある。

大阪屋ショップの店舗への来店頻度は月4回前後の顧客が多く、週末に冷凍食品などをまとめ買いする傾向があるという。「平日に鮮度が高い生鮮品を手に入れたいが、買いに行く時間がない世帯が多い」とみており、配達型で潜在需要を掘り起こす。

ただ、アルビス、大阪屋ショップとも、事業開始後当面は模索が続きそうだ。アルビスは「需要次第では配達型も手がけるかもしれない」、大阪屋ショップも「どんなニーズがあるのか想像できない。柔軟に対応したい」と1つのやり方に決め打ちしない姿勢をとる。

富山県内ではイオングループに加え、県西部に「サンキュー」の名称で4店を持つ三喜有(南砺市)が11年からネットスーパーを運営している。配達型で、山間部の高齢者など「買い物難民」を想定して始めた。現在は店舗がない富山市の利用者が多く、高層マンションの住民がペットボトル飲料など重量がかさむ商品を求める例が目立つという。

「意外だった」と同社の幹部が話すのが、首都圏などに住む人が、富山にいる高齢の両親や大学生の子供のために、定期的に生鮮品などを注文するケースだ。中には外国に駐在する人が頼む例もあるという。「アルビスや大阪屋ショップの参入でネットスーパーの認知度が高まる。利用者の裾野が広がるといい」と期待する。

(国司田拓児)

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