富山でヒルトン開業 新幹線延伸で北陸にホテル相次ぐ - 日本経済新聞
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富山でヒルトン開業 新幹線延伸で北陸にホテル相次ぐ

2024年春の北陸新幹線敦賀延伸を控え、北陸3県でホテルの開業が相次いでいる。米ヒルトンは18日、富山市内に「ダブルツリーbyヒルトン富山」を開業した。福井駅前では米マリオット・インターナショナルのホテルが建設中で、金沢市の中心街でもホテル開発が相次いだ。新型コロナウイルス禍でも観光需要は回復しており、各ホテルとも集客策を練る。

「ダブルツリーbyヒルトン富山」の開業行事には、ヒルトンの日本・韓国・ミクロネシア地区のティモシー・ソーパー代表や前川博之総支配人のほか、富山市の藤井裕久市長らが出席した。ヒルトンの北陸への進出は初めてだ。

富山駅から歩いて3分の場所にあり、13階建てで客室は201室。インテリアは立山連峰や富山の海をモチーフにした。フィットネスルームを備え、ロビー横には菓子などをテークアウトできるショップも設けた。高級なおもてなしを武器にする。

駅前では22年に「ホテルJALシティ富山」や「ホテルヴィスキオ富山」がオープンした。競争は激しくなるが、ソーパー代表は「ヒルトンブランドの認知力で中国や香港、台湾の顧客にも富山を売り込むことができる」と話す。

前川総支配人は「台湾はマーケットとして一番大きい。22年に旅行会社など30社ほど営業に回った」という。富山には外国人にも人気が高い「立山黒部アルペンルート」があり、台湾からの客が多かった。24年には黒部ダムの工事用輸送路として整備された「黒部ルート」の一般開放もある。今春には富山空港と台湾の台北を結ぶ空路が、臨時便ながら3年ぶりに復活する。

コロナ禍にもかかわらずホテル開発が続いたのは金沢市だ。22年12月に215の客室を備えた「ザ・ホテル山楽金沢」がオープン。近江町市場やひがし茶屋街といった観光スポットに近い大型ホテルで、ケン不動産リース(東京・港)が運営する「プレミアホテルグループ」ブランドとして開業した。

外資系では金沢駅前に米ハイアット系の「ハイアットセントリック金沢」「ハイアットハウス金沢」が立地する。計300室を超えインバウンド(訪日外国人)などの利用を見込んで20年に開業した。

県内に初めて新幹線が通る福井県では、福井駅前にマリオットの進出が決まっている。マリオットも北陸3県では初めてで、県内初の外資系シティーホテルとなる。名称は「コートヤード・バイ・マリオット福井」の予定だ。

駅西口の再開発エリアに建設中の地上27階、高さ120メートルの複合ビル内の上層階部分に開業する。客室数は約250室。同ビルは県内で最も高い建物になり、すでに外観が見え始めている。

同県では新幹線開業によって観光客や出張客の増加に期待が集まっている。23年夏には福井県立恐竜博物館(福井県勝山市)がリニューアルオープンの予定で、観光地の磨き上げに力を入れる。

玄関口となる福井駅前では、富裕層やインバウンド、ビジネス客の受け皿となるホテルが不足している。来訪客が増えても宿泊需要を他県に奪われるといった危機感があり、高級ホテルの誘致は悲願だった。同県は18年に企業立地促進補助金の対象業種を、一定の基準を満たすホテルに拡大するなど誘致を進めてきた。

(前田龍一、前田悠太、鈴木卓郎)

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