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福島の大内宿、江戸の宿場町にタイムスリップ

おでかけスポット

重厚な茅ぶき屋根がつらなる大内宿の街並み(福島県下郷町)

福島県南会津地方の山あいにある大内宿(おおうちじゅく、下郷町)は、江戸時代に会津地方と栃木県の日光を結ぶ街道の宿場町として栄えた。

明治になり道路や鉄道が整備されると山の中をぬう街道は使われなくなり、宿場としての大内宿は急速に衰退した。

一方、主要な交通網から取り残されたことで、重厚な茅(かや)ぶき屋根の建物や街並みは戦後の開発を免れた。今では江戸時代の宿場町にタイムスリップしたような景観が多くの観光客を引き付けている。

300㍍ほどの旧街道沿いには50棟近くの伝統建築が並び、中には築400年の建物もある。その一帯は国から「重要伝統的建造物群保存地区」に指定されている。

宿屋だった建物の多くは、郷土料理店やお土産店になっている。特産品として箸の代わりに1本のネギを使って食べる「ねぎそば」が有名なほか、会津塗として知られる漆の塗り物が人気だ。

江戸時代の宿場を再現した大内宿町並み展示館

中心部には茅ぶき屋根の「大内宿町並み展示館」があり、大内宿の歴史や江戸時代の宿場の様子を知ることができる。

建物には集落の人が実際に住み続けたことから、戦後しばらくすると茅ぶき屋根から安くて長持ちするトタン屋根にする動きが広がった。

国から保存地区に指定されたのが1981年。それ以降、トタン屋根を茅ぶきに戻したり、道路のアスファルトをはがして土の道に戻したりする地道な取り組みが続いている。

大内宿を訪れる観光客は2011年の東日本大震災の前は100万人を超えていたが、最近は80万人前後にとどまる。東京電力福島第1原子力発電所の事故が響いて福島県を訪れる外国人が減ったほか、足元では新型コロナウイルス禍が追い打ちをかけている。

大内宿観光協会の担当者は「訪れた人がより安らぎを感じられる街をつくり、リピーターを増やしていきたい」と語る。

古くからの建物だけでなく、旅人をもてなし疲れを癒やしてきた宿場町の精神も受け継いでいく考えだ。

(郡山支局長 村田和彦)

アクセス 磐越自動車道新鶴スマートインターチェンジ(IC)から約45分。東北自動車道白河ICから約1時間。鉄道の場合、会津鉄道湯野上温泉駅下車、駅から車で約10分。

施設情報 大内宿一帯は無料。大内宿町並み展示館は大人250円、小人150円。

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