特産品を列車で県外に JRと伊予銀行、貨客混載で実証

伊予銀行は17日、JR西日本やJR四国と協力し、松山―岡山駅間で農産物を相互に届ける実証実験を実施した。輸送した農産物は同日からそれぞれの駅構内の売店で販売した。燃料高や人材不足を背景に物流コストが高まるなか、少量でも時間通りに運べる鉄道の強みを生かした新たな物流網の構築をめざす。
愛媛県宇和島市産の温州ミカンを岡山駅へ、岡山県産ぶどう「紫苑(しえん)」を松山駅へ届けた。輸送には特急列車の空いた席を活用した。宇和島―松山駅間を結ぶ特急「宇和海」から、松山―岡山駅間を結ぶ特急「しおかぜ」に貨物を積み替える手順などを確かめた。
伊予銀は3月にもJR四国やヤマト運輸と協力して、宇和島市の養殖場から松山市内のホテルにマグロを輸送する実証実験をしていた。今後も鉄道会社や小売業者との連携を広げて、域外への特産品の販路拡大を後押ししたい考えだ。