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金沢市で乗り合い送迎サービス 路線バスの減便地域で

金沢市で路線バスの減便に対応し、乗り合い送迎サービスの試験運行が7月から始まる。地元の町内会が市などの支援を受けて2023年3月まで計画している。アイシンが開発したデマンド型のシステム「チョイソコ」を活用。地域ぐるみで外出を促すイベントを企画するなど利用客を掘り起こし、23年4月からの本格運行を目指す。

同サービスの対象は西日本ジェイアールバス(大阪市)の路線バスが減便になった地域だ。7月にはさらに減便、山間部では廃止となる区間もある。住民の通院や買い物の手段確保が課題となっていた。

「いままではバスの時間に生活行動を合わせる。これからは必要な時にきてもらえる」。町内会の委託を受け、サービスを運営する次世代型交通システム推進協議会(金沢市)の担当者は説明する。同協議会は交通分野のまちづくり支援を狙って2021年に発足。損害保険ジャパンや北陸大学発スタートアップのサムライ金沢(金沢市)、アイシンなどで構成する。

石川県内のタクシー事業者の協力を得て、専用ラッピングの車が2台走る。停留所は減便の影響が大きい地域を中心に約250カ所。協賛金を払った病院やスーパーなども含まれる。電話などで予約すると、車が最寄りの停留所に来て、目的地の停留所で降りる。

利用するには会員登録(無料)が必要。午前8時〜午後3時に利用できる。ただ朝の早い時間帯は原則、通院目的の利用に限る。運賃は地域によって異なり、1乗車あたり300円または400円。アイシンによれば、他地域の状況からみて1日20件以上の利用を期待している。

チョイソコの特徴は「地域の困りごとを総合的に解決する社会インフラを目指す点」(アイシン)だ。愛知県内など約30地域で導入されており、協賛店が健康づくり教室を開くなどチョイソコ利用者の外出機会の増加に効果を上げている地域もある。金沢でも協賛店などの協力を得て、外出を促すイベントを企画する考えだ。

西日本ジェイアールバスは22年2月、金沢市中心部と郊外を結ぶ5路線を段階的に減便する方針を発表。比較的住宅が多い場所もあり、交通手段に対して住民らが危機感を持った。市は「町内会や協議会と連携し、短期間でチョイソコの運行までつなげることができた点はよかった」と評価する。

各地のチョイソコは自治体が運営するケースがほとんどで、金沢市のように町内会や地元協議会が中心となるケースは珍しい。「住民の意見を踏まえ、朝は通院専用にする例は初めて」(アイシン)という。

試験運行の期間中は市が手厚く運行支援する。ただ、本格運行になれば地元負担が増す可能性があり、利用者の確保が課題となる。運行地域の一つ、湖南地区の町内会は「体験乗車を企画するなど、できるだけ周知するように取り組みたい」としている。

(石黒和宏)

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