秋田県由利本荘市、洋上風力発電事業者と包括連携
秋田県由利本荘市は17日、同市沖で2030年末の運転開始を目指す洋上風力発電事業者、秋田由利本荘オフショアウィンド合同会社(秋田市)と地域活性化に向けた包括連携協定を結んだ。両者がこれまで話し合ってきた地域共生策のアイデアを今後具体化し、漁業振興など地域や産業の活性化に役立てる。

両者が連携するのは市特産品の販路拡大や漁業振興、観光開発、人材育成など9項目。同市の湊貴信市長は「互いに力を合わせ、地域づくりや人づくりにつなげたい」と強調した。三菱商事グループの三菱商事洋上風力(東京・千代田)社長で、秋田由利本荘オフショアウィンド合同会社の職務執行者を務める田中俊一氏は「グループが持つ販路を使い全国、世界に向け市特産品を拡販していきたい」などと語った。
秋田由利本荘オフショアウィンド合同会社は4月に設立。三菱商事、同グループの三菱商事エナジーソリューションズ(現三菱商事洋上風力、東京・千代田)、風力発電会社のウェンティ・ジャパン(秋田市)、中部電力子会社のシーテック(名古屋市)が出資した。
秋田県沖では21年末、由利本荘市沖など2海域で洋上風力発電事業を担う事業者が決まった。ともに三菱商事を中心とする企業連合で、対象海域を最大30年間占用できる。同市沖では風車を海底に固定する着床式の風力発電65基(合計出力約82万キロワット)を建設する。
政府は50年の脱炭素化に向けて再生可能エネルギーを主力電源にする方針を打ち出した。その切り札になる洋上風力発電に注目が集まっている。

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