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避難所「密」防げ 混雑状況ネット確認、車中泊用駐車場

災害から自らを守るために行く避難所で新型コロナウイルスに感染しないよう、神奈川県内の自治体が避難所の「密」対策に取り組んでいる。避難所の混雑状況をリアルタイムで確認できるシステムを導入したり、車中泊避難用の駐車場を整備したり。ホテルや旅館に避難した場合に宿泊費を補助し「分散避難」を後押しする自治体もある。

「満」「混雑」「やや混雑」「空」――。小田原市は6月から災害時に住民が避難所の混雑状況をインターネットで確認できるシステムの運用を始めた。

市はIT(情報技術)企業のバカン(東京・千代田)と協定を結び、同社のサイトの地図に避難所46施設を表示。避難所の開設後、市職員が混雑状況を4段階で判定して入力する。

2019年の台風19号の際、市では計約7000人が避難した。一部の小学校では400人以上が避難するなどして混雑した。避難所の混雑状況を「見える化」し、住民が一部の避難所に集中することを回避する。

バカンと協定を結んだ県内自治体は小田原市のほか、茅ケ崎市、大和市、鎌倉市があり、今後も増える見通しという。

綾瀬市は現在、車中泊避難用の駐車場を整備している。足の静脈に血栓ができて命に関わる可能性がある「エコノミークラス症候群」への不安から車中避難を勧めない自治体も少なくないが、市は「避難先の多様化やプライバシーの確保を図るため勧めることを決めた」(危機管理課)。

車中泊避難用として市文化会館の駐車場に災害時用のトイレなどを新たに設置するほか、倉庫にはエコノミークラス症候群対策として血流を促進する弾性ストッキングも備える。今後も車中泊避難用の駐車場を増やす。

避難所となる公共施設を増やせない自治体はホテル・旅館を活用し始めた。葉山町は今年度、災害時にホテル・旅館に避難する住民の宿泊費を補助する制度を導入した。

対象は土砂災害警戒区域の住民や妊娠中の人や障害のある人ら。大雨や台風で警戒レベル3以上の避難情報が出た後にホテルなどを利用した場合、1人1泊最大5000円を補助する。ただ避難長期化の可能性がある地震は対象外となる。

7月3日に土石流が起きた静岡県熱海市ではホテルが避難所として活用されている。ホテル避難は被災者の体調管理や新型コロナの感染リスク低下などの利点がある一方で、避難長期化に伴う費用負担などの課題が指摘されている。

一般的に避難所の密対策として段ボールの間仕切りを置く自治体が多いが、厚木市は室内用テント3300張りと大型扇風機240台を確保した。

「16年の熊本地震に派遣された市職員が避難所でのプライバシー確保の難しさを実感し、テントの購入を進めたところ、新型コロナの密対策にもつながった」(危機管理課)。テントは簡単に組み立てられ、1張りを2人で使用。市内の公民館や小中学校に20~30張りを常備し、災害時に倉庫から出して使う。

コロナ下の災害では、密を避けるために親戚宅などを含めた分散避難が求められている。避難方法について、災害時にいつどこへ避難すればいいのか、事前に家族や個人で決めておくことが一層重要になる。

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