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浦和駅東口近く8.4%上昇、埼玉県23年商業地の公示地価

国土交通省が発表した2023年の公示地価(1月1日時点)で、埼玉県の商業地は前年比1.6%上昇し、2年連続でプラスとなった。JR浦和駅東口に近いさいたま市浦和区東仲町が8.4%と最も上昇率が高かった。新型コロナウイルス禍による経済の停滞感が弱まり、土地取引が県南部中心に活発化した。県内の住宅地も1.6%上昇し、半数程度の市町村がプラスとなった。

商業地で上昇率トップのさいたま市浦和区東仲町は、JR浦和駅に近い商業地だが、住宅地としての需要も高く、地価を押し上げた。戸田市本町が6.8%で2位、前年にトップだったさいたま市大宮区仲町は周辺の大規模再開発が前年に終わったこともあり、6.5%のプラスで3位だった。

商業地は223地点の63%が上昇し、前年の1.6倍に増えた。住宅地は調査対象1032地点のうち、全体の64%が上昇し、前年から大幅に増えた。

住宅地は県内63市町村のうち33市町が上昇。前年の22市町から拡大した。もともと地価が上昇していたさいたま市や川口市、戸田市など県南部の自治体は上昇幅が拡大し、熊谷市や鴻巣市、吉見町など県北部、中央部の自治体も上昇に転じた。商業地も戸田市や蕨市、さいたま市など県南部を中心に上昇傾向にある。

住宅地では戸田市本町3が9.5%上昇し、県内でトップ。前年の2.4%から大きく伸びた。JR戸田公園駅から徒歩圏内で生活利便性に優れ、人気が高まっている。住宅地上昇率の上位10地点は、東京都心に近い戸田市と川口市が占めた。

1平方メートルあたりの住宅地の最高価格地点はさいたま市浦和区高砂2の108万円で、17年から7年連続のトップ。JR浦和駅前は交通利便性に加え教育環境も良く、高い住宅需要がある。商業地はJR大宮駅西口前のさいたま市大宮区桜木町1の379万円が最高価格地点で、92年以来32年連続の1位となった。

不動産鑑定士の三田和巳氏は今回の公示地価動向について「新型コロナの制限措置がなくなり、土地取引への影響がほぼなくなった。都市部中心に上昇傾向が鮮明になり、コロナ前の水準にほぼ戻った」と指摘する。

ただ、三田氏は「原材料価格の高騰や物価上昇、長期金利の上昇、円安など不明瞭な要素も多い」とも指摘。「今後地価の動向を慎重に見極めたい」と話す。

工業地は3.1%上昇、物流施設の需要強く

埼玉県の工業地は3.1%上昇し、10年連続でプラスだった。コロナ下でネット通販の需要が拡大し、物流倉庫の需要が引き続き強いという。

特に首都高速道路や東京外環自動車道のインターチェンジ(IC)に近い戸田市や川口市の工業地の人気がある。

三田氏は工業地の動向について「コロナが落ち着いてきた今でもライフスタイルや消費行動の変化が続いているため、当面ネット通販需要の拡大は続く」とみる。

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