/

未来技術を先導する高専に 石川の小村良太郎さん

拓き人 石川から

国立の高等専門学校(高専)が「Society 5.0」で実現する未来技術に対応した人材育成に取り組んでいる。国立高等専門学校機構や各地の高専と連携し、人工知能(AI)など情報教育を支援するのが石川工業高等専門学校(石川県津幡町)の准教授、小村良太郎だ。

国立高専機構が2020年度に始めた「高専発!『Society 5.0型未来技術人財』育成事業」。技術の高度化や社会・地域ニーズの変化などを踏まえ、カリキュラムを点検し、教育の質の向上につなげる取り組みだ。小村は次世代基盤技術教育のカリキュラム化のプロジェクトに参画、全国の高専をコーディネートする教員の一人だ。

特にかかわるのがAIと数理データサイエンス分野だ。拠点校となった富山、旭川の高専と連絡をとりあい、全国展開できる教材づくりを目指している。「富山は介護・医療系や技術経営など、旭川はスマート農業でそれぞれAIを活用する。全国でどのように教育に落とし込むかを考えていく」と話す。

旭川高専はビニールハウスに温度や湿度などのセンサーを設置しており「こうやったら農作物はうまく育つというAIの教材をつくろうとしている」という。同育成事業では、石川高専がサイバーセキュリティー分野に関わっており、全国の高専の教員向け講習会なども開催している。

金沢市出身。金沢大学で電子情報工学を専攻し、2005年度に石川高専の教員に。現在は電子情報工学科の准教授として画像情報処理などを教える。「情報系の学生でなくても情報教育については『さすが高専生』と呼ばれるようしたい」との思いがある。どんな業種に就職しても、情報の知識がないと、システムなどの発注ができないからだ。

情報教育を強化するため、石川高専はカリキュラムの向上に取り組んできた。5つの学科があるが、今やどの学科でもAIや数理データサイエンスの基礎を習得できるようになっている。例えば土木などを学ぶ環境都市工学科は、ドローンを飛ばすというテーマをもとに情報の知識を深めることができる。

国立高専機構は非情報系学科を含む全学科を対象に情報教育の強化・高度化推進プロジェクトに取り組んだことがある。情報技術を身につけた人材育成に対する産業界からの要望の高まりに対応するためだ。石川高専はモデルとなるカリキュラムのとりまとめ校となった。

同高専のノウハウが徐々に他の高専でも活用されようとしている。「非情報系を専攻した大学生より情報分野では負けないようになってほしい」と力が入る。=敬称略 

(石黒和宏)

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

関連トピック

トピックをフォローすると、新着情報のチェックやまとめ読みがしやすくなります。

セレクション

トレンドウオッチ

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

新着

注目

ビジネス

ライフスタイル

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン
図表を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した図表はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン