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埼玉県基準地価、商業地8年ぶり下落 コロナの影響続く

埼玉県の最高価格地点であるJR大宮駅西口付近の商業地も地価が下落した(さいたま市大宮区桜木町)

埼玉県が21日発表した2021年の基準地価(7月1日時点)は、県内商業地全体の地価が平均0.3%値下がりし、13年以来8年ぶりに下落に転じた。新型コロナウイルスの感染拡大が収束せず、飲食店の時短営業継続などの影響を受けて土地取引が停滞した。住宅地は20年に続き2年連続の下落となったが、東京都心に近い地域を中心に回復傾向にあるという。

県土地水政策課によると、今回調査では県内住宅地の650地点のうち約38%、商業地の136地点のうち46%の地価が下落した。住宅地は上昇・横ばい地点数が昨年の225地点から397地点と大幅に増えて回復傾向が見られたが、商業地は上昇地点数が昨年の34地点から12地点に減少。コロナの影響による経済の停滞が地価動向にも顕著に表れた。

市町村別の住宅地の平均変動率をみると、昨年の上昇自治体は蕨市、川口市など県南部の6市のみだったが、今年は川越市、所沢市なども上昇に転じ、上昇自治体は15市町に拡大した。人口減少と少子高齢化が進む県北部や秩父地域では下落傾向が続いている。

地点別で住宅地の変動率では、昨年は上位5位を川口市が占めた昨年よりも地域にばらつきが見られた。1位は都心から近く、近くに大型の商業施設やショッピングモールがある川口市飯塚(上昇率は3.3%)と例年上位に入る地域だったが、2、3位は東松山市の2地点、4位に滑川町が入った。

東松山、滑川の両市町とも東武東上線沿いにあり、東京や横浜方面への直通電車が通っていることが大きい。東松山では宅地開発、区画整理による商業施設の整備が進んでおり、住宅需要が高まっている。

県内商業地で変動率が上位に入ったのは、都心に近い戸田市や川口市など。ただ、商業地は最も上昇幅が大きかった戸田市下前でさえ上昇率は1.1%と微増にとどまり、コロナによる飲食店や大型商業施設などでの時短、外出自粛の影響がさらに深刻化。34年連続で県内の最高価格となったJR大宮駅西口前のさいたま市大宮区桜木町でも地価が下落するなど、厳しい状況にある。

県内の地価動向に詳しい不動産鑑定士の三田和巳氏は「住宅地は特に県南部を中心に土地取引が活発になり、コロナ以前に戻りつつあるが、商業地はコロナにより飲食店の経営が厳しく、回復したとは言えない」と指摘。今後についても「緊急事態宣言が9月末まで延長されており、今後の感染『第6波』の懸念もある。不確定要素が多く先行きは不明瞭だ」とみる。

工業地帯は8年連続上昇

新型コロナウイルスによる経済活動の停滞が深刻化し、地価動向にも影響を与えているが、工業地の需要は高い水準で推移している。埼玉県内の工業地の平均変動率は1.9%と8年連続上昇。2020年を0.6ポイント上回り、コロナ禍の中でも上昇傾向にある。

工業地の変動率は川島町と日高市の2地点が3.5%でトップ。そのほかの上位地点も川口市、春日部市など、いずれも国道16号や首都高速道路、首都圏中央連絡自動車道(圏央道)など主要幹線道路の沿線が大半だった。

アマゾンジャパンなどのほか、大手の物流系企業が相次ぎ県内に拠点を開設。コロナ禍の外出自粛によるネット通販などの自宅向けサービスの引き合いは依然強く、「物流センターや倉庫など向け需要が高い」(県土地水政策課)。工業地に関しては当面は旺盛な土地取引が続きそうだ。

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