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松坂屋静岡店、店舗再編 22年春に水族館開業

松坂屋静岡店(静岡市)は17日、2022年春からの全館改装計画を発表した。3年間で約17億円を投じて都市型水族館を開設するほか、特選品や美術品の売り場を拡充する。豊かな暮らしを志向する購買層が求める物販に照準を合わせた構造に変えると同時に「コト消費」もできる多目的型の商業施設を目指す。

本館と北館のうち、事務所と駐輪場を除く全フロアを24年春にかけて刷新する。改装する売り場面積は約1万4000平方メートルで、全売り場面積の55%にあたる。

目玉は本館7階に新設する約1800平方メートルの水族館。香川県宇多津町や神戸市で水族館事業を手掛けるSMBC信託銀行が資金調達や工事の発注、運営に参画する。

新型コロナウイルス禍でも好調な特選品や美術品の売り場は低層階に集約する。海外の高級ブランドの服飾雑貨は現在の北館1階に据え置き、北館2階に宝飾品や美術品売り場を設ける。

販売対象を性別や商材で分ける従来の階層構成を「美と健康」「アートとジュエリー」「リビング」などテーマ別に変える。本館5~6階は、西日本を地盤にホームセンターなどを手掛けるナフコが進出し、同社の家具・インテリア店「ツーワンスタイル」を基にした店舗を開業する。

静岡市中心部はオーバーストア(店舗過剰)状態と言われてきた。06年に静岡西武が撤退し、07年に静岡パルコが開業。11年には静岡鉄道系の商業施設「新静岡セノバ」ができ、17年11月には「SHIZUOKA109」を改装した静岡東急スクエアが開店した。

周辺市町の人口が減少する中、競合は激しさを増し、21年3月には丸井グループの静岡マルイが閉店。松坂屋静岡店は主力の衣料品販売の減少傾向に歯止めがかからず、事業の抜本的な見直しが求められていた。

落合功男店長は17日の記者会見で「静岡市は7つの魅力ある大型商業施設がある稀有(けう)な街だが、物販機能が多すぎる。コト消費の要素を入れることで生き返るのでは」と全面改装を機に市街地のにぎわいを再創出する考えを示した。

松坂屋静岡店は1932年開店で、大丸松坂屋百貨店が運営する松坂屋4店舗のうちの1つ。96年に北館ができて現在の2館体制になり、97年に全面改装した。日本百貨店協会への月次報告をもとに算出した2020年の年間売上高は153億円、コロナ禍前にあたる19年の年間売上高は201億円だった。

落合店長「滞在価値ある場所広げる」

松坂屋静岡店の落合功男店長に水族館誘致や店舗再編の狙いを聞いた。

――改装にあたり「目的地となる地域共生型百価店」を掲げました。

「静岡市は郊外に大型商業施設もなく、駅前を中心としたまちづくりの基盤がそろった都市だ。ただ、買うか食べるかの楽しみしかない。変えていかないといけない」

「市内はARTIE(複合型娯楽施設)や歴史博物館も建設中だ。松坂屋はJR静岡駅前の象徴として水族館を誘致し、(静岡市内で)滞在する価値のある場所を広げる動きにつなげたい」

――コロナ禍で電子商取引(EC)が普及する中で店舗の意義は。

「ECは伸びたが、味や匂い、販売員との会話に重要な意義がある商品は五感で感じることの大切さが逆に注目されるようになってきた。実用性の高い物は、価格面で百貨店は勝てない。(ECとの)カテゴリーのすみ分けが、過去1年でできてきたのではないか」

(聞き手は亀田知明)

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