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音声再生機や触れる資料 高知の図書館バリアフリー強化

7月から導入したマルチメディアデイジー図書再生用タブレット

高知市中心部にある「オーテピア高知声と点字の図書館」は7月、目にハンディがあったり、高齢だったりして読書が難しい人向けの支援を強化した。図書を朗読する携帯型の再生機と、音声付きの電子書籍を閲覧できるタブレットを導入し、館内外への貸し出しを始めた。同図書館は新サービスで誰もが読書できる社会を目指す。

図書館は高知県と高知市が2018年7月開館した大規模図書館「オーテピア高知図書館」1階にある。今回の支援強化は19年6月に読書バリアフリー法が成立し、国がICT(情報通信技術)を使いだれもが文字・活字文化の恩恵を受けられるようにする同法関連の補助事業を活用した。

視覚障害者を中心に最も多く使われるICT機器は「録音図書再生機」という。活字図書を音声で録音した図書を再生するもので国内では現在、10万タイトルを超える本や雑誌を網羅する。図書館は7月、操作ボタンを減らした小型の使い勝手のいい再生機を新たに40台導入した。

坂本康久館長はその狙いについて、「障害のある人の中でも高齢者は既存の再生機では操作が難しく利用をあきらめる人がいたため」と話す。携帯型を扱う図書館は全国でも少ないそうだ。

館内利用者は職員に希望の図書を伝える。すると職員が図書データを内蔵した再生機を貸し出す。自宅へデータの入った再生機を無料で郵送・宅配するサービスも県内全域で提供する。貸出期間は1カ月。「腎臓病による人工透析の間、携帯型の再生機を使いたいと高齢女性から連絡があった」(坂本館長)という。

「バリアフリー図書」の利用は障害者だけではない。視力が衰えて文字を読みづらくなった高齢者には「マルチメディアデイジー図書再生用タブレット」を20台用意し館内外で貸し出す。「デイジー図書」は活字図書を読むのが困難な人が利用しやすいデジタル図書の国際標準規格とされる。

絵本作家、柴田ケイコさんの作品「うみのごちそうしろくま」の一節「マグロのさしみ」をタブレットに表示してみた。「マグロといえば、やっぱりさしみ!」。文章を音声で聞いていると、読み上げているところの色が黄色に変わる。これならどこを読んでいるか分かりやすく、目と耳の両方から情報が入るので文章の内容を理解しやすい。

坂本館長に「お年寄りにもっと知られていい機器なのでは」と水を向けると、「今後は介護施設や介護・医療の地域包括支援センターにPRしていきたい」と答えた。

図書館の2020年度の新規登録者は44人と、前年度から18人減った。新型コロナウイルスの影響で長期間休館したのが響いた。今後、感染が収束したら職員を高齢者宅や施設に派遣し、機器の操作を説明するなどして登録者を増やす考えだ。

(保田井建)

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