音声認識の歯科カルテ 東和ハイシステム、日立と開発へ
歯科医院向け電子カルテシステムを扱う東和ハイシステムは日立製作所と協力、カルテを音声入力できるシステム開発を進める。AIを活用した日立の音声認識技術を組み込み、今秋の製品化をめざす。診察中の歯科医が手袋をはめたままで音声でカルテ入力や画面操作ができるようになり、院内業務のデジタルトランスフォーメーション(DX)を後押しする。
東和ハイシステムはこれまでに日立のデータベースソフトをもとに患者受け付けから診療、会計までを統合した歯科向け電子カルテシステムを開発。販売やサポートも手がけ、西日本を中心に約3100件の医院にシステムを導入してきた。システムでは歯科診療に用いる患部部位名や病名、処置方法など数千件に上る専門用語をカバー。訪問診療でもタブレットを使った電子カルテ作成を実現するなど歯科医業務の省力化、高速化を進めている。

音源識別技術など音声研究でのノウハウを蓄積する日立とは長年の協力関係にあり、昨年12月に打診、共同開発に乗り出すことになった。
3月にはパシフィコ横浜(横浜市)で開かれる「日本デンタルショー」に出展、デモ運用や実証実験を続け、製品化を進める。「西日本で取引のある歯科医院を中心に導入を働きかけたい」(石井滋久代表)という。