静岡知事、リニア同盟会加入でも県内早期着工認めず

静岡県の川勝平太知事は15日の記者会見で、リニア中央新幹線の建設を求める沿線自治体でつくる「リニア中央新幹線建設促進期成同盟会」に静岡県の加盟が認められても、県内の早期着工を認めない考えを明らかにした。東京―甲府間をはじめ「できるところから工事すればいい」としつつ、「静岡県(の工区)は不安材料が多いためJR東海、国と連携して払拭したい」と述べた。
静岡工区を巡っては早期着工を目指すJR東海と、トンネル工事による大井川の流量や生態系への影響などを課題にする県との協議が折り合わず、長期化している。同盟会には川勝知事が2日、「リニア中央新幹線整備についての基本姿勢は整備の促進」などとする加盟申請書を提出。近く加入を認めるかどうか決まる予定だ。
川勝知事は記者会見で「流量、水質、水脈、生態系、(建設工事の)盛り土、監視体制などの問題が解決されていない」と指摘。静岡県内のトンネル掘削工事が周辺環境に与える影響について検討する国の有識者会議が8日に始まったことにも触れ「ようやく生態系についての議論が始まった。国土交通省や環境省のリーダーシップが欠如している」と批判した。