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セーレン、欧州に初生産拠点 ハンガリーに22年新工場

セーレンは16日、欧州初の生産拠点として、東欧のハンガリーに自動車資材の新工場を建設すると発表した。投資額は55億円で、2022年12月に量産を開始する計画だ。環境規制の強い欧州で高まる電気自動車(EV)需要を取り込み、海外事業の成長を図る。川田達男会長は記者会見で「欧州市場に積極展開する環境ができた」と話した。

新工場の建設を発表する川田会長とノルバート駐日大使(東京・港のハンガリー大使館)

新工場はハンガリーのペーチに建設し、延べ床面積は2万6000平方メートル。自動車向け合成皮革シート材を月40万メートル生産できる。環境配慮で軽量、耐久性を強みとする新素材「クオーレ」を生産する。

新工場は21年11月に着工する。売上高は23年に約88億円、24年には約110億円を見込んでいる。敷地は10倍ほどの余裕があり、今後、出荷量が増加すれば工場を建て増す計画だ。

欧州連合(EU)は温暖化ガス排出量について、2030年に1990年比55%減の目標を掲げている。欧州の自動車メーカーは相次いでEVを発売、消費者の関心も脱ガソリン車に向いており、同社は合皮シートの需要が増すと見る。

同日、ハンガリー大使館(東京・港)で会見した川田会長は「環境対応はEVや水素など転換期を迎えている。大きなチャンスとしてとらえていく」と意気込む。

同社はカーシートなどの繊維系の車両資材が売上高の6割を占める主力だ。海外での車両資材の生産は出荷先近くに自社工場を建設し、輸送時間やコストを削減する「地産地消」戦略を採っている。国内自動車メーカーの海外進出に合わせ、北米、ブラジル、中国、東南アジアと相次いで工場を新設してきた。

ただ、従来の顧客は国内や北米の自動車メーカーが多く、欧州では車両資材の営業拠点がパリにあるだけだった。自動車産業のサプライチェーンが集中するドイツ以東の中・東欧に生産拠点を新設することで、日系メーカーだけでなく欧州車メーカーへの供給を強化したい狙いがある。

新工場建設にハンガリーを選んだことについて川田会長は「投資環境がいい。同国政府からの多大なサポートが得られたことも大きい」と話す。駐日ハンガリー大使のパラノビチ・ノルバート氏は「法人税率の低さなど投資インセンティブや製造業の集積が魅力だ。長く業務を続けられるよう最善を尽くす」と歓迎した。

セーレンの21年3月期の連結純利益は前の期比42%減の50億円の見込み。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で20年春に車両資材の需要が落ち込んだが、秋ごろからは中国向けを中心に回復傾向にある。同社は今回の投資が同期の連結業績に与える影響は軽微としている。

川田会長は「今後、新素材やエレクトロニクスなどの最先端技術を強化する」と話す。セーレンの海外売上高比率は5割を超えており、今後、各地の生産力や営業力を拡充することでさらに比率を高めたい考えだ。(佐藤栄基、鈴木卓郎)

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