ブドウ1房150万円 石川産「ルビーロマン」最高値

金沢市中央卸売市場(金沢市)で15日朝、石川県産の高級ブドウ「ルビーロマン」の初競りが開かれ、最上級品が1房150万円と過去最高値で落札された。1粒あたり約5万5000円。地元の旅館が競り落とした。ルビーロマンは巨峰の2倍ほどの大粒で、糖度が高く、鮮やかな赤色が特徴。2022年は生育順調で、前年より2割多く過去最多の3万房の出荷を見込む。

15日早朝、200房近いルビーロマンが同市場に入荷し、青果担当者が22年の新物を目利きした。生育に適した天候が続き「糖度が例年より高く、鮮やかな赤色に仕上がっている」(地元の青果仲卸)。初競りは活気づき、1房27粒800グラムの品に150万円の値が付いた。これまでの最高値は21年の140万円。石川県農林水産部は「日本一、いや世界一高いブドウではないか」と話す。
落札した旅館は「宿泊客に振る舞う。石川県の最高のブドウを全国の人に知ってもらい、観光の起爆剤になれば」と話した。すべてのブドウは丁寧に梱包され、地元や首都圏の百貨店に向かった。

ルビーロマンは石川県が14年の歳月をかけて開発した品種だ。それまで石川県ではデラウェアなど小粒種の栽培が中心だったが、消費者ニーズに合致する甘く、大粒の品種を育成した。粒の大きさ31ミリ以上、重さ20グラム以上、糖度18度以上の基準をクリアしたものだけが、認定される。ゴルフボールほど大きな粒もまれにある。

栽培は難しいが、ICT(情報通信技術)を活用し、県の研究者と生産者が栽培方法を共有するなどの工夫により、出荷量は年々伸びている。21年の販売金額は1億5700万円と過去最高を記録した。旬は7~9月。店頭価格は時期によるが、金沢市内の青果店では1房1万円ほどで並んでいる。