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横浜市の林市長、4選出馬を正式表明 IR巡り混戦に

横浜市長選2021

(更新)
横浜市の林市長が4選出馬を表明した(15日、市役所)

8月22日投開票の横浜市長選をめぐり、同市の林文子市長(75)は15日、4期目に向けて立候補すると正式に表明した。無所属で立候補する。カジノを含む統合型リゾート(IR)誘致などを推進してきた市政の継続を訴える。これまでに9人が出馬を表明しており、横浜市長選として史上最多となる見込みだ。争点となるIRを巡り、前例のない混戦となる。

林氏は15日午後、市役所で記者会見を開き出馬表明した。林氏は出馬した理由について「横浜の経済界や市民の方の思い、出馬要請を受けたことが大きかった」と述べた。IRについては「経済活性化の核。横浜の将来に必要」と強調し、将来の財源確保の施策として推進すると明言した。

一方で、新型コロナ対策や企業誘致など「基礎自治体の行政は多岐にわたり、ワンイシューで語るのは非常に難しい」とも述べ、IRに注目が集まる選挙戦を警戒した。注力する政策として新型コロナウイルス対策、飲食店や中小企業支援、米軍返還地の旧上瀬谷通信施設跡地での国際園芸博覧会(花博)招致を掲げた。

林氏は「大変厳しい選挙になる。特にIRはこれだけの立候補者が反対するのは懸念があるからだが、私自身が丁寧に説明したい。全力投球で命をかけてやっていきたい」とした。

市長としてIR誘致を進めてきた林氏の立候補表明で、今回の市長選はIR誘致の是非が最大の争点となる。林氏は2017年の市長選ではIR誘致について「白紙」としたが、当選後の19年8月に誘致を表明した。

IRは横浜港・山下ふ頭(中区)の約43ヘクタールに事業者が民設民営で建設。収益源のカジノのほか、MICE施設(国際会議場や展示場)、エンターテインメント施設、最高級ホテルなどを一体的に運営する。誘致反対派はカジノ導入でギャンブル依存症の拡大や治安悪化を懸念している。

市長選を巡っては、年明けから出馬を表明する候補が相次ぎ、これまで計9人が立候補を表明した。横浜市選挙管理委員会によると、1947年の第1回市長選以降では、6人の立候補が最多(82年と98年)で、史上最多を更新する見通しだ。

ここまで候補予定者が乱立し混戦となったのは、選挙の構図がなかなか固まらなかったことが背景にある。

林氏は早くから4選出馬に意欲的だったとされる。自民党がIRを推進する林氏を支援し、立憲民主党などの支援を受けたIR反対の候補がぶつかる構図が想定されていた。

しかしIR反対の市民の声は根強く、苦戦を予想した自民党横浜市連は多選などを理由に林氏に支援しない方針を伝えた。一方で、自民党市連も候補者を絞りきれないまま、当時閣僚で県連会長だった小此木八郎氏(56)がIR中止を打ち出して出馬を表明すると、同氏を推薦するかどうかで紛糾。林氏も進退を明言せず、選挙の構図が固まらない状態が続いた。

この間にIR反対を掲げる出馬表明が相次いだ。立憲民主党は元横浜市立大教授の山中竹春氏(48)を擁立し、弁護士の郷原信郎氏(66)や元長野県知事の田中康夫氏(65)らが次々と立候補を表明した。大半がIRに反対するなか、林氏はIR推進を望む地元経済界からの要請に応える形で出馬を表明した。自民党市連が自主投票の方針を決めており、一部の市議の支援も期待できる見通しだ。

候補者が乱立し、票が分散すれば再選挙となる可能性もある。公職選挙法では、地方公共団体の首長選挙は最多得票者が、有効投票総数の4分の1以上の票を獲得しなければ、50日以内に再選挙を実施するという規定がある。市は今回の市長選の費用として13億円を見込んでおり、再選挙の場合は追加の費用が必要になる見通しだ。

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