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都内基準地価、商業地9年ぶり下落 繁華街で大幅下げ

東京都が21日に発表した2021年の都内の基準地価(7月1日時点)は、商業地が前年より0.3%下がり9年ぶりの下落となった。新型コロナウイルスによる経済活動の停滞が響き、都心や繁華街では1割前後下がった地点もあった。住宅地は前年と同じく0.2%上昇で、9年連続の値上がりとなった。

商業地は前年の1.3%上昇からマイナスに転じた。地区別では千代田、中央、港、新宿、渋谷の「都心5区」の下落が目立ち、平均で1.3%下落した。コロナで繁華街への外出を控えるようになった影響が出た。区別の下落率は中央区が1.9%で最も大きく、続いて新宿区が1.8%、千代田区が1.2%下落した。多摩地域の商業地の変動率は0.0%で前年の0.4%下落から横ばいに転じた。

23区内の商業地で最も下落率が大きかったのは、新宿区歌舞伎町1丁目の調査地点で、10.1%下がった。長期間にわたる緊急事態宣言などが響き、飲食店が入居するビルの空室が目立っている。収益性の低下が土地投資意欲の減退につながった。

下落率が2番目に大きかったのは中央区銀座7丁目の調査地点(9.0%)で、同区銀座6丁目(7.2%)、新宿区新宿3丁目(7.0%減)の調査地点が続いた。いずれも新型コロナによる訪日外国人の減少や外出自粛が響いた。商業地の下落率上位10地点のうち9地点は、新宿区と中央区が占めた。

一方、外出自粛によって自宅近くで買い物を済ませる動きに伴い、地価が上昇した地域もある。大田区池上6丁目の調査地点は3.3%上昇で、商業地で上昇率が最も大きかった。3月に東急池上線の池上駅に駅ビルが開業したことで需要が拡大した。中野区5丁目の調査地点は2.7%上昇。JR中野駅北口の再開発への期待感が地価を押し上げたとみられる。

基準地価の調査地点のうち国土交通省の公示地価(1月1日時点)の調査地点と2年間共通している199地点を対象に、区部と多摩地域の住宅地・商業地の地価変動率を半年単位で比較したところ、区部の商業地だけが20年7月~21年1月と21年1~7月のいずれも下落だった。

都の担当者は「都心の商業地については緊急事態宣言が長期化していることや先行きの不透明感もあって下落となった」と話している。

住宅地は0.2%上昇 上げ幅変わらず

東京都の住宅地の基準地価は0.2%上昇で、上げ幅は前年と変わらなかった。23区の上昇率は0.5%で前年(1.4%)より縮小。多摩地域の変動率は0.0%で前年の0.8%下落から横ばい基調となった。利便性の高いマンションに適した土地は需要が堅調な一方、駅から遠い地域や斜面造成地などでは大きく下落するところもあった。

23区内の住宅地で最も上昇率が大きかったのは、江東区有明1丁目の調査地点で3.4%上昇した。20年8月に商業施設「有明ガーデン」の開業で需要が高まった。同年3月に開業した高輪ゲートウェイ駅から近い港区芝浦4丁目の調査地点も2.6%上昇した。

23区内で下落率が最も大きかったのは世田谷区岡本3丁目の調査地点で、2.0%下がった。下落率の上位10地点は全て世田谷区内で、駅から遠い住宅街の調査地点が並んだ。いずれも用途地域が「第1種低層住居専用地域」で、戸建て住宅が多い地域だった。

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