京急、10.8%運賃値上げ申請 遠距離は値下げ
京浜急行電鉄は13日、10月の運賃値上げに向けて国土交通省に運賃改定の申請をしたと発表した。運賃を平均10.8%引き上げる。初乗り運賃は10円(交通ICカード利用時は14円)値上げして150円となる。新型コロナウイルス禍の影響で利用者が大きく減少しており、安全設備の維持などのため値上げするとした。
同社が運賃改定を申請するのは、消費税変更時を除くと28年ぶり。普通運賃は平均10.7%引き上げる。通勤定期は11.9%引き上げ、通学定期は家計への負担軽減のため据え置くとした。
一方、三浦半島などへの移住や観光促進を目指し、遠距離の利用となるほど改定率を低くする。41キロメートル以上の利用は値下げにする。41~45キロメートルの利用で改定率は1.7%引き下げ、61~65キロメートルの利用では14.9%引き下げる予定だ。
品川駅(東京・港)から横須賀中央駅(神奈川県横須賀市)へは現行650円が620円に、三崎口駅(三浦市)へは現行943円が740円に値下げとなる。
今回の申請により、全体では10.1%の増収となる見込みだ。同社の2022年3月期の輸送人員は、コロナ前の19年3月期と比べ25.5%減、鉄道部門の収益は同30.4%減と、関東圏の私鉄の中でも落ち込みが大きいという。コスト削減に取り組んできたが、コロナ前の水準への回復は難しいと判断し、運賃値上げ申請に踏み切った。

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