東京都、感染警戒水準上げ 1週間後9500人超の可能性も
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東京都は13日、新型コロナウイルスの感染状況を分析するモニタリング会議を開いた。感染状況の警戒水準を1段階引き上げ、上から2番目の「感染が拡大している」とした。感染者が急増するなか、専門家は「就業制限を受ける人が多数発生し、社会活動の停止を余儀なくされる可能性がある」と指摘した。
12日時点の1週間平均の新規感染者数は1日あたり約1136人で、5日時点(約135人)から約8倍に増えた。国立国際医療研究センターの大曲貴夫・国際感染症センター長は、現在の感染状況が続けば、1週間後の20日の感染者数は推計で約9576人になるとして「危機的な感染状況になる」と訴えた。
東京都医師会の猪口正孝副会長も、感染急拡大で就業が制限される医療従事者が多数生じれば「病床が空いていてもマンパワー不足で患者の受け入れができなくなり、医療提供体制が逼迫することが予測される」と危機感を示した。
会議では医療提供体制の警戒水準も上から3番目にあたる「体制強化の準備が必要な状況」とし、1段階引き上げた。

会議終了後、小池百合子知事は記者団に対し「感染は止める、社会は止めない」と強調。企業などにBCP(事業継続計画)の再点検を求めたほか、まん延防止等重点措置が適用された地域への不要不急の移動を控えるなど感染防止対策の徹底を改めて呼びかけた。

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