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スズキ、今期業績も視界晴れず インド感染再拡大で

会見するスズキの鈴木俊宏社長

スズキは13日、2022年3月期の連結業績見通しの公表を見送った。期初での通期予想の公表見送りは新型コロナウイルスの影響が出始めてきた前期に続き2年連続。コロナ禍から巻き返しつつあったが、主力のインドで足元で爆発的な感染拡大があり先行き不透明感が強まってきたためだ。「一寸先は闇」(鈴木修会長)となっている。

「22年3月期もコロナの行方は予断を許さない。前期はV字回復して良かったで終わるわけにはいかない」。オンラインで同日会見した鈴木俊宏社長は前期の決算をこう振り返った。同社の屋台骨であるインドでの四輪車事業に持ち直しの動きが出てきていたが、そんな矢先、同国での爆発的な感染拡大に見舞われたのだ。

世界生産の過半を占めるインドはコロナ禍からの巻き返しのけん引役だった。ヒンズー教の新年を祝う「ディワリ」など昨年の祭事商戦で挽回し、その後も個人消費の回復を受けて販売好調が続いていた。コロナ下で公共交通機関の代わりに自家用車を使う新たな需要も生まれ、昨年9月以降、単月で過去最高の記録も相次いでいた。

だが足元の感染拡大で不透明感が漂う。医療用酸素の需要を優先するために設備メンテナンスを前倒しする形で四輪生産を1日に一時停止。当初は10日再開を予定したが、生産停止を16日まで延長した。現時点で17日の再開に向けて準備を進めているが、鈴木社長は「コロナの状況によって遅らせざるを得ないとも考えている」という。

会見するスズキの鈴木修会長

今期業績予想を見送った理由には世界的な半導体不足や自動車の排ガス触媒に使うロジウムなど原材料の高騰もあるという。半導体不足については前期には休日出勤や残業の調整、生産機種の入れ替えなどにより生産への影響は軽微だったというが、今期については「調達の行方を明確につかめていない」(鈴木社長)と明言は避けた。

欧州で21年から「CAFE規制」と呼ばれる排ガス規制が本格施行し、基準に適合できない自動車各社は巨額の罰金を科せられる。鈴木会長はかねて「欧州の基準に適合できておらず罰金を支払うことになる」と言及していた。世界的な脱炭素の動きが加速するなか電動化への対応も迫られており、課題は山積している。

同社を社長、会長として強力なトップダウンで40年以上率いた鈴木会長は6月に退任する。鈴木会長は会見で「(決算会見への出席は)最後ですから、ごきげんよう」とだけ話した。鈴木社長を中心とする集団指導体制への移行を進めるが、新たな体制が機能し電動化対応などの荒波を乗り切れるか。鈴木社長のかじ取りが問われる。

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