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茨城県北トレイル 、新ルート開通 全長320㌔へ整備進む

茨城県北6市町の自然や観光名所を結ぶ長大な遊歩道を整備する「県北ロングトレイル」の新規ルート(約39キロメートル)が開通した。1年前に開通した約14キロと合わせて約53キロに延伸された。全国でも屈指とされる全長320キロの目標はまだ先。県北の魅力を線でつなごうと官民で整備を続ける。

県北ロングトレイルは第1弾として2021年3月に大子町のルートが開通し、月待の滝と日本三名瀑(ばく)に数えられる袋田の滝近辺が結ばれた。新たに開通したのは袋田の滝近辺から、絶景で知られる常陸太田市の竜神峡を経て、天下野(けがの)という集落に達するルートだ。鷲の巣山、男体山、おかめ山などの山々を経由する。

アウトドア用品販売のナムチェバザール(水戸市)が県の委託を受けてトレイルを整備してきた。同社の呼びかけで登録したボランティア約570人のうち有志が月2回、荒れた道の草を払ったり、標識を建てたりした。同社の和田幾久郎社長は「花々の美しい魅力的なコース。他県と肩を並べる53キロのトレイルができた」と胸を張った。

今後は日立市や高萩市、さらに常陸大宮市や北茨城市へとルートを広げる。和田社長によると5年後をメドに整備を終える計画だが「山道ができればよいわけではない。地元の人との交流などトレッキング文化を広げたい」と続ける。常陽銀行の寄贈型私募債を活用し、山道のゴミを拾う袋と水筒を用意するなど環境活動も後押しする。

県も地域活性化に期待をかける。東京圏に近い県南と異なり、県北では定住人口の減少が続き、コロナ禍も観光に逆風となった。一方で感染リスクの低いアウトドアの人気など、自然を生かせる可能性も広がってきた。菊池睦弥・県北振興局長は「多くの人が歩いて観光やグルメ、温泉を楽しみ、できれば発信してほしい」と話す。

記者も歩いてみた

県北ロングトレイルの新規ルート39キロが開通したのを受け、10日に常陸太田市で「歩き初め」イベントが開かれた。歩いたのは竜神峡付近からおかめ山を経て、竜神峡付近に戻る7.6キロのハイライトコース。山歩きの経験が少ない筆者も挑戦した。

この日は一般参加者やボランティアリーダー、県市職員ら40人超が参加した。神奈川県出身で茨城県に単身赴任している会社員の大塚修一さんは「こっちに来て山が好きになった。人が少なく自然を独り占めできるのがよい」と話した。ひたちなか市の看護師、金子典子さんは「桜が咲いてよい時期。気分転換になる」と楽しそうだった。

ボランティアリーダーに「ゆっくりで大丈夫です」と声をかけられつつ、程よく整備された山道を歩き始める。思いのほか起伏に富んだコースで、気温の高さもあって息が荒くなる。ペットボトル1本しか持たず登山靴を用意しなかった甘さを反省する。

赤岩と呼ぶ集落に着くと満開の桜や山桃が咲く光景が広がった。帰りに寄らなかったのを後悔したが、バンジージャンプで有名な竜神大吊橋を見下ろす展望台に続く道もあった。再び登りを続け、標高400メートルを超すおかめ山の頂上近くで昼食をとり、絶景を堪能した。筑波山ほど有名でなくても隠れた名山が茨城にあることを知った。

下り道では滑らないよう岩や木に時折つかまったが、手すりも整備されて危険と感じるほどではなかった。標識を見て進めば迷う心配は少ない。かつては上級者でないと登山は難しかったらしく、夏や冬も整備に努めたボランティアに心の中で敬服する。

出発から約4時間で竜神峡付近に戻った。高齢の方や子供も歩き通したという。翌日は足がぱんぱんだったが気分がよく、体力と相談しながら大子町などのコースにも挑戦したいと思った。(竹蓋幸広)

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