萩原工業、野菜の包装ネット素材を米国生産 運賃高騰で

合成樹脂繊維大手の萩原工業は、野菜や果物の包装ネットの素材として使われている樹脂製品「メルタック」を米テキサス州で生産すると発表した。世界的なコンテナ不足や海上輸送費の高騰を受け、生産拠点の現地化を図る。
設備投資額は10億円。2023年3月に子会社を設立し、現地の包装資材メーカーの工場を借りて24年11月に稼働させる予定だ。
現在はメルタックを岡山県里庄町の工場で造っており、大半が北米向けで年間約4億円の売り上げがある。現地生産で納期を短縮できるほか、北米では農業用シートなどの展開も考えており「拠点を置くことが大切」(浅野和志社長)と判断した。
あわせて発表した25年10月期までの中期経営計画では、今回のメルタック関連の10億円を含め、3年間で計105億円の設備投資をするとした。ブルーシートを生産する笠岡工場の建設に25億円、維持更新投資には40億円を投じる。
同社の22年10月期連結決算は、売上高が前の期比8%増の299億円、純利益が42%減の9億4300万円だった。ポリエチレンなどの原料や海上運賃、電気代などのコスト上昇が響いた。23年10月期は、純利益が前期比2.9倍の27億円を見込む。
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