日医工の4~6月、最終赤字42億円 米国事業の採算悪化
日医工が12日発表した2022年4~6月期の連結決算(国際会計基準)は、最終損益が42億円の赤字(前年同期は37億円の赤字)だった。国内事業は品質不正問題が起きた富山第一工場(富山県滑川市)で一部の後発薬の出荷停止が続いているほか、米国事業での内製化の遅れなどもあり、採算が悪化した。

同社は現在、私的整理の一つである事業再生ADR(裁判以外の紛争解決)を申請し、金融機関と交渉を重ねている最中だ。スポンサー候補企業としてジャパン・インダストリアル・ソリューションズ(JIS)と基本合意しているほか、他の企業とも協議をしているとみられる。
売上高は10%増の470億円だった。21年に業務停止命令を受けた富山第一工場では、約400品目中、160品が出荷の調整や停止の対象になっている。一方で、武田テバファーマから21年2月に日医工の傘下に入った岐阜工場(岐阜県高山市)などで、後発薬の流通混乱に伴う代替品確保の動きから生産が伸び、需要を取り込んだ。
営業損益は65億円の赤字だった。米国市場向けの製品を現地で内製化する計画が予定通り進まず、費用が膨らんだ。円安に伴い27億円の為替差益を計上したが、最終赤字額は前年同期より増えた。
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