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東京都、多摩の病院PFI拡張 難病治療など4施設で

東京都は多摩地域の医療拠点を対象としたPFI(民間資金を活用した社会資本整備)を拡張する。既存2病院に加え、がん検査や難病治療を担う2つの医療施設もPFIで整備・運営する。公立病院のPFI活用は他の公共施設に比べて遅れており、「普及の起爆剤になる」と期待する向きもある。

PFIは公共施設の設計・施工・運営に民間の資金やノウハウを活用して、公共施設のサービスや運営効率を高める仕組み。政府は成長戦略の一つに掲げており、空港や上下水道、道路など幅広いインフラで導入が進む。ただ、PFI法が施行された1999年から2020年3月末までに実施方針を公表した818事業のなかで病院は15件にとどまる。

このうち、都は3つの病院PFIを展開している。なかでも、多摩地域の高度医療を担う多摩メディカル・キャンパス(府中市)では、基幹病院の多摩総合医療センターと小児総合医療センターの整備・運営を清水建設が主体の特別目的会社(SPC)に一任。合計病床数は1350床と国内最大級の病院PFIとなっている。

キャンパスは段階的に整備を進めており、既存の神経病院とがん検診センターも29年までにそれぞれ難病医療センター(300床程度)と外来がん検査・治療センターに再整備する。都は21年6月、新設する両センターの整備・運営に加え、先行2病院の運営も一括してPFI化することを正式に決定。7月末に公表した入札公告によると、契約期間は22年4月から44年3月まで。事業費は約789億円を見込む。

都が今回のPFI拡張を表明するまで、10年以上にわたって国内の新規病院PFIは途絶えていた。経営効率の向上が目的のPFIと不採算部門も抱える公的医療はなじみにくい面があるためだ。日本PFI・PPP協会の植田和男会長は「病院PFIの成功には、SPCに委ねる事業の切り分けや医療現場との綿密な意思疎通が欠かせない」と指摘する。

都は19年に公表した3つの病院PFIの検証報告書で、高額な検体検査や医薬品、診療材料の登場に伴い経費が事業開始時の見込みを大きく超過したとする一方、高額医療の実施件数の増加で収入も伸びていると分析。PFI自体の効果は認められるとして、今回の事業拡張を決めた経緯がある。

都は事業者の募集に当たって検体検査や医薬品・診療材料の調達をSPCの業務内容から外すなど報告書の内容を反映した。日本PFI・PPP協会の植田会長は「多くの病院が建て替え期を迎える半面、財源には限りがある。優れた事例、ノウハウの共有を進め、病院PFIも普及させるべきだ」と話す。

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