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マツダ、逆風下で合理化徹底 損益分岐点100万台切る

マツダが新型コロナウイルス禍や半導体不足といった逆風下で、生産ラインなどの合理化を徹底している。13日、2022年3月期の損益分岐点台数が中期経営計画の目標である100万台(26年3月期)を前倒しで下回ったと明らかにした。23年3月期にも生産面での制約は続く見通しで、一層の経営努力が欠かせなくなっている。

「過去に経験のない厳しい経営環境下でも経営体質の強化と稼ぐ力の取り戻しに一定の進捗を達成した」。マツダの丸本明社長は13日、22年3月期の決算説明会で合理化の進捗に自信を示した。

マツダは同日、23年3月期の連結売上高が前期比22%増の3兆8000億円で過去最高となり、営業利益は15%増の1200億円になりそうだと発表した。外貨建て債券の評価差損によって純利益は2%減益となる見込みだ。最重要市場と位置づける米国で4月に発売した新型車「CX-50」などの新型車がけん引し、北米市場の新車販売で10%増の48万台を見込むのが大きい。

中計で26年3月期の数値として掲げる損益分岐点台数100万台(出荷)の目標は、22年3月期に前倒しで達成した。マツダは同じラインで複数車種を生産する混流生産と呼ばれる手法を取っており、異なる車種を生産する際でも設備の調整をなるべく少なくすることで時間や費用のロスを低減させる改善を加速させた。

半導体などの部品不足下でも売れ行きやモデル別の部品在庫に応じて柔軟に生産できるようになり、「造れる車を前倒しで造る」(丸本社長)ことができた。

ただ、残り4年あるとはいえ23年3月期の営業利益率が3.2%(目標は5%)にとどまるなど課題はある。損益分岐点台数100万台についても、瞬間的な達成ではなく継続していく必要がある。

マツダの23年3月期の世界販売販売台数は前期比8%増となる134万9000台との見通しだ。S&Pグローバルの市場予測では、22年の世界の新車販売は21年比で約5%増える見通しで、マツダの前期の世界販売125万台に当てはめると今期は131万台ほどとなる。市場全体の伸びを上回る販売を目指すことになる。

マツダは4~5月に中国・上海のロックダウン(都市封鎖)などにより部品調達が困難になったとして国内外で稼働を止めている。S&Pグローバルの西本真敏マネージャーは、上海ロックダウンの影響が6月前半までは続くとみる。半導体不足についても「22年内は続き、自動車メーカーによる挽回生産は23年前半ですら難しいだろう」と指摘する。

マツダも半導体不足の解消は24年3月期の下期との前提を置いている。車載半導体は最新の半導体に比べて収益性が低いため半導体メーカーの設備投資の優先度が低い。自動車向けの中でも規模が大きいメーカーからの大型受注を優先するとみられ、マツダが優先される見通しは低い。高値での購入を余儀なくされる恐れもあり、収益にも響きかねない。

逆風下で損益分岐点台数100万台の目標を達成したのは一定の成果だ。ただ、生産への制約は今期も続く以上、短期的にも長期的にも収益性向上に向けたさらなる合理化が必要となる。

(阿部晃太朗)

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