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ローカル5G活用の実証実験 埼玉県内で相次ぐ

埼玉県内で地域限定の高速通信規格「ローカル5G」を活用した実証実験が相次いでいる。深谷市の観光農園ではイチゴの熟度把握といったスマート農業に役立てるほか、越谷市では災害時の迅速な状況確認に生かすための実験が行われた。各地の課題解決に向けて、実用化への取り組みが広がる。

食べごろのイチゴが収穫できる観光農園「いちご畑花園」(深谷市)。高精細の4Kカメラを搭載した自立自走式ロボット「FARBOT」が農園内を走行する。撮影したイチゴの映像を人工知能(AI)が解析し、病害検知や熟度別の数量把握に役立てる狙いだ。

実証実験はNTT東日本や武蔵野銀行、深谷市など11者が参加。2022年度も実験を継続予定で、スマート農業を実践し農家の生産性向上を後押しする。高精細の4Kカメラはデータ容量が多いが、ローカル5Gを用いることで大量のデータを素早く安定的に伝送することが可能になる。

イチゴの熟度別の数量把握では、イチゴの色を基に3段階で判別する。熟度別の個数を把握することで1~2週間後に予約を受け入れられる観光客の人数の目安が分かるため、「農家の機会損失を防げる」(NTT東日本の担当者)という効果も期待できる。

さらに新型コロナウイルス禍を踏まえ客同士の密集を防止する仕組みも導入。ビニールハウス内に6台のカメラを設置し、客の動きを把握する。ハウス内のディスプレーに密集状況を表示して注意喚起する。

ローカル5Gは災害現場でも活用が期待される。越谷市ではドローンを使って撮影した高解像度の映像を伝送する際にローカル5Gを用いる実証実験を実施した。ドローンは高度100メートルから1ミリメートルのひび割れも確認できるという。

ドローンの映像はデータ容量が多く、ローカル5Gを活用すれば従来では確認が難しかった橋の小さな損傷の発見などに役立てられる。通信速度は4Gに比べ最大30倍だったといい、「災害時に現地に行かなくても迅速な災害対応ができる」(実験に協力した関東地方整備局の担当者)

ローカル5Gは19年末に免許申請の受け付けが始まり、ローカル5G関連市場は今後大きな伸びが期待される。矢野経済研究所によると、21年度に15億円と見込まれる市場規模は25年度に237億円、30年度には650億円に拡大する見通しだ。

県内ではほかにも埼玉工業大学がキャンパス内で水陸両用車の自動運転技術の実証実験も実施。従来よりも迅速な制御が可能だという。実用化に向けて八ツ場ダム(群馬県長野原町)周辺での実験も進めた。

ローカル5Gを活用する様々な取り組みの実用化に向けた動きは広がりを見せており、今後、社会実装される機会も増加することになりそうだ。

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