コロナウイルス除去に活性炭 満栄工業、岡山理大と開発

活性炭製造の満栄工業(岡山県吉備中央町)は岡山理科大学(岡山市)と共同で、新型コロナウイルスをほぼ完全に吸着、不活化できる新型活性炭を開発した。カニ殻から抽出されるキトサンを配合したもので4月に特許を申請。医療用マスクや空気清浄機用フィルターの商品化をめざし、関連メーカーへの売り込みを今後進める。
同社は2016年に取引先の要請で動物解毒剤や豚熱、口蹄疫(こうていえき)ウイルス対策の活性炭開発に着手。学術報告などから窒素化合物の活用研究を重点的に進めた。新型コロナの感染拡大で21年8月からは岡山理大獣医学部の森川茂教授(微生物学)と共同研究を始め、キトサン配合の活性炭を開発、実験などで有効性を確認したという。
新活性炭の量産化へ約2億円を投じて本社敷地内に活性炭試作装置を導入するなど設備を増強する。来年度中に年産20トン体制をめざす。
さらに高性能な活性炭開発のために総工費約1億円を投じて今年3月に樹脂合成研究棟を完成させ、8月ごろから稼働させる方針だ。
同社は1921年創業。48年に武田薬品工業の依頼で活性炭製造を始めた。社員は69人、2022年3月期の売上高は28億6000万円。
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