関西電力社長「中間貯蔵施設、トップレベルと協議」

関西電力の森望社長は12日、福井県庁を訪れ、杉本達治知事に年頭のあいさつをした。12月末までに候補地を確定するとしている使用済み核燃料の中間貯蔵施設について、森社長は「私自身が国や電気事業連合会のトップレベルとの面談を重ねている。関係役員は関係先のキーパーソンに高い頻度で働きかけをし、実務レベルでは具体的な調整、検討作業を進めている」と話した。
ただ、具体的な進捗については「あらゆる可能性を追求」とだけ述べ、「詳細は説明できない」とした。
杉本知事は「きょう時点で確定した計画地点が示されなかったのは残念」としたうえで「とにかく結果を出すことだ。年末まで引っ張っても、ものごとは進まない。1日も早く報告をいただきたい」と話した。
関電の子会社による顧客情報の不正利用など相次ぐ不祥事に、杉本知事は「大変落胆している。(金品受領問題以降に)業務改善計画を進めていると言うが、結局同じことが繰り返されている。社長自身が先頭に立ち、風土を変えていただく必要がある」と指摘した。
中間貯蔵施設を巡っては2021年2月、関電の森本孝社長(当時)が「期限までに確定できない場合は、美浜原子力発電所3号機(福井県美浜町)、高浜原発1、2号機(福井県高浜町)の運転を停止する」と約束している。森社長は杉本知事との面談後、報道陣に当時の「約束」について問われ「全力を尽くすしかない」と答えるにとどまった。