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足利銀行、SDGsコンサル開始 無料で中小企業に

事業創出も支援

足利銀行は中小企業向けに、持続可能な開発目標(SDGs)の達成に向けた無料のコンサルティング事業を始めた。人権保護や環境配慮などへの取り組みを数値化して課題を洗い出し、改善策を提案する。栃木県ともSDGs浸透で連携する。取引先のリスク回避や新事業創出にもつなげることで、新たな融資需要なども掘り起こしたい考えだ。

足利銀行本店

SDGsは世界が抱えている貧困や差別、環境破壊などの課題に関する17の目標と、細分化した169の行動指標からなる。世界の持続的な発展に向けて欠かせないものとして、2015年に国連で採択された。現在は大企業を中心に民間企業や政府、自治体などが課題解決に向けたそれぞれの目標を掲げている。

足利銀は中小企業向けにSDGsのコンサルティング事業を3月末から始めた。中小企業の経営課題解決を支援する本業支援室が中心となって担う。SDGsコンサルでは企業ごとに人権や環境、取引の公正さなどSDGsに関わる6分野41項目について社内の状況を聞き取り、リポートを作成する。

項目ごとの取り組み状況を点数で示し、対策の必要な部分を洗い出す。例えば人手が足りず、従業員の労働時間が長くなりがちな企業には、働き方の改善策を提案。同行の有料の人材紹介事業とつなぎ、新たに人材採用する支援も可能だ。事業には三井住友海上火災保険とMS&ADインターリスク総研が協力する。

SDGs対応は企業にとって単なる社会貢献にとどまらない。一つはリスク回避だ。SDGsを重視する姿勢は大手企業や上場企業の間では浸透しつつある。人権侵害や環境破壊などに加担していると見なされる企業は消費者や投資家から選ばれなくなるリスクがあるからだ。

中小企業にとってもひとごとではない。材料や部品などの調達先の健全さがより重視されるようになり、SDGsの取り組みをおろそかにすると「今後、取引先のサプライチェーンから外されることにつながりかねない」(栃木県の次世代産業創造室)。

もう一つの利点は新しい事業創出の機会になることだ。足利銀営業推進部の渡辺唯正・本業支援室長は「完全リユース可能な素材など、SDGsの機運を捉えた製品を開発すればビジネスチャンスになる」と訴え、新事業支援にも力を入れる考えだ。

県内企業へのSDGsの浸透には栃木県も積極的だ。SDGsの達成に取り組む県内企業の登録制度を昨年秋に創設した。企業には2030年までに達成する目標を設定してもらい、取り組みをホームページで公表する。3月末時点で個人事業主を含む企業162社、679事業所を登録した。同様の仕組みは長野県など全国でもわずかだ。

足利銀はコンサルを通じて企業の登録数増や目標の実現を支援する。同行の渡辺室長は「まずは無料のサービスで中小零細企業のSDGsに対する意識を高めたい」と説明。栃木県の担当者は「SDGsでうたわれている問題を解決することは企業の増収増益にもつながる」として、連携して県内経済の底上げにつなげる。

(宇都宮支局 桜井豪)

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