/

四国10信金の前期、4信金が最終増益 コロナ対応進み

四国に地盤をもつ10信用金庫の2021年3月期決算が出そろい、4信金で最終損益が前年同期と比べて改善した。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う資金繰り需要を背景に貸出金が伸び、本業のもうけを示すコア業務純益は5信金が前年同期を上回った。コロナの影響は長引いており、取引先の売り上げ増に貢献できるかどうかが、より重要な局面となる。

地域密着金融を掲げる観音寺信金は、コンサルティング機能の強化を進めている(香川県観音寺市の本店)

コロナによる移動制限や需要の減少により地域経済は疲弊した。企業の資金繰りを支援するために始まった政府の「実質無利子・無担保融資」は、信用保証協会の保証がつくことからリスクが小さく、貸し出しを後押しした。資金の枯渇を防ぐだけでなく予防的に手元資金を積み増す動きもあり、信金の貸出金残高は大きく伸びた。

香川県西部に地盤を置く観音寺信用金庫(香川県観音寺市)は、コア業純が前の期比15%増の22億円となった。貸出金の期末残高は同12%増となっており「利ざやの縮小を量でカバーした」(須田雅夫理事長)。20年6月時点で年間の融資目標を達成していたという。夏ごろには資金繰り対応から、本業支援や経営改善に軸足を移した。

高松信用金庫(高松市)では期末の貸出金残高、預金残高が共に過去最高を更新。貸出金利回りの低下で貸出金利息収入は減ったものの、有価証券残高の増加により利息配当金や資金運用収益が増え、コア業純が伸びた。純利益の面では貸倒引当金が3億8200万円減少したことが影響した。

一方、宇和島信用金庫(愛媛県宇和島市)では貸倒引当金の積み増しなどで信用コストが前の期比8億4300万円増え、2期ぶりに最終赤字となった。運用に特化した経営を進めている高知信用金庫(高知市)の純利益は微減の59億円だった。

製造業を中心にコロナ前の水準まで戻りつつあるとの声もある中、飲食・宿泊などのサービス業は厳しい状況が続いており、景気回復は正負両方向の動きがみられる。地域に根ざした金融機関としての信用金庫には、資金繰りなどの不安に応える支援と、企業の成長を後押しするような支援の両方が求められる。

徳島信用金庫(徳島市)の担当者は「(新型コロナによる先行きの)不透明感は依然として強い」と指摘する。徳島県内の景況についても「外出自粛や消費減退の動き」を引き続き警戒している。ただ21年3月期に貸倒引当金を予防的に積み増したこともあり、今期の与信費用は減少し、純利益は21%増の2億9600万円を見込んでいる。

今後はコンサルティング機能など、取引先企業の業績拡大に向けた取り組みが一層重要になってくる。「足元の設備投資需要は結構ある。業態を変える、新しい分野に進出するといった企業の意欲は強い」(観音寺信金の須田理事長)。地域密着型ならではの細やかな対応が、取引先と収益を共有することにつながっていく。

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

新型コロナ

新型コロナウイルスの関連ニュースをこちらでまとめてお読みいただけます。

ワクチン・治療薬 休業・補償 ビジネス 国内 海外 感染状況

関連トピック

トピックをフォローすると、新着情報のチェックやまとめ読みがしやすくなります。

関連企業・業界

業界:

セレクション

トレンドウオッチ

新着

注目

ビジネス

暮らし

新着

注目

ビジネス

暮らし

新着

注目

ビジネス

暮らし

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン