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陶芸とクリの里、道の駅「ゲートウエー」に 茨城・笠間

茨城県笠間市がゲートウエー(玄関口)と位置づける大型施設「道の駅かさま」が16日開業する。クリなどの農産物や陶芸など町の魅力を発信する。先端技術などを活用し、農家の所得低迷や2次交通の不便さなど町の課題解決につなげる狙いもある。

道の駅は国道355号沿いの3万5000平方メートル超の敷地に整備した。市の事業費は29億5000万円。情報発信・飲食施設ではデジタルサイネージ(電子看板)に映った巫女(みこ)姿のキャラクターが「古民家カフェはいかがですか」などと案内する。

鉄道駅前の観光案内所の職員などがアバター(分身)を通じて、来場客の人数や年齢を確認し、お薦めの観光情報を伝える。ビルメンテナンスの大成やNTT東日本茨城支店が提供する遠隔操作システムを利用。新型コロナウイルスの感染リスクが低く非日常の雰囲気も味わえる。

山口伸樹市長がかねて「農業生産者の所得を向上させたい」と語ったように地元農産物の発信にも力を注ぐ。情報発信・飲食施設にある「楽栗 La Kuri」は市農業公社が運営するクリ専門店。人気のマリトッツォならぬ「クリトッツォ」など流行を意識したスイーツを販売する。他の店でもクリを使った料理やジェラートを一部提供する。

同市は全国最大のクリ栽培面積を誇るが、長野県小布施町など他産地より知名度が低い。加工や販売を含む6次産業化に向け、道の駅の向かいに2022年4月稼働予定のクリ加工拠点を着工した。道の駅で笠間のクリを使った食品をそろえ、ブランド発信の足がかりとする。屋外にはクリの木を並べ、クリの形をした石の車止めを配置した。

直売所・物販施設では地元産の野菜や花きを販売する。直売所の大山一樹店長は「季節ごとの野菜を道の駅のレストランで提供できれば」と語る。農産物以外の資源も活用し、玄関口には地元の稲田白御影石に駅名を刻んだ石碑を設置。施設内では伝統工芸の笠間焼を展示するが、窯元などを訪れてもらいたいとの思いから販売はしない。

同市は6つの鉄道駅と3つの高速道路インターチェンジがあるが、観光地などを結ぶ2次交通が脆弱だ。道の駅ではスマートシティーのコンソーシアム(共同事業体)を組んでいるNTTドコモ茨城支店や観光協会と連携しシェアサイクルを30台導入。道の駅を起点に笠間稲荷神社や笠間芸術の森公園をスムーズに周遊できるようにした。

市内周遊バスについても道の駅周辺にあった乗り場を構内に移し、JR友部駅や道の駅を行来する便を増やす。「道の駅を起点に市内を周遊してもらいたい。緊急事態宣言下の開業となったが感染対策も徹底する」とJR東日本水戸支社から出向し駅長に就いた伊沢清実氏は話す。構内には多目的広場やヘリポート、防災用の井戸もある。

同市には3月、国内最大級のスケートボード施設も開業した。今は緊急事態宣言で休業中だが、日本人選手がメダルを多数獲得した東京五輪直後は若者らの利用が増えた。コロナ禍で茨城にも閉塞感が漂うが、新施設の開業が相次ぐ陶芸とクリの里が存在感を増している。

(水戸支局長 竹蓋幸広)

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