じもとHD社長、公的資金注入 申請遅れの認識示す
じもとホールディングス(HD)の鈴木隆社長(仙台銀行頭取)は11日に開いた決算会見で、金融機能強化法に基づく公的資金の注入申請が当初予定よりも遅れているとの認識を示した。傘下のきらやか銀行は2023年3月期の単独最終損益で49億円の赤字(前期は10億円の黒字)になる見通しで、申請スケジュール見直しを迫られた形だ。
同行は与信関係費用の大幅な増加を背景に9月、業績の下方修正を発表。鈴木社長は、期初時点の収益見通しであれば「(申請は)年度内だと思っていた」とし、申請の動きが遅れているとの認識を示した。具体的な申請時期や金額は明かさなかった。
きらやか銀行の川越浩司頭取は同日に山形市内で開いた決算会見で、「黒字化が求められており、それを踏まえてでないと話は進まない」と述べた。当面は、組織体制の統一や店舗再編によるコスト削減など「収益力の改善を優先する」(鈴木社長)としている。
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