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無軌道型の自動搬送車で連携 シコウと北菱電興

自動搬送車(AGV)システムのシコウ(金沢市)は新しいAGVの開発と販路開拓で、電子機器などを手掛ける北菱電興(同)と連携する。拡販するのは位置を確認できるカメラを搭載し、誘導用のテープなどが要らない無軌道型。北菱電興は走行試験の場所を提供するほか、工場の効率化を支援する事業にAGVを組み込んだ新たな提案を目指す。

シコウの無軌道型AGVは、カメラで撮影した映像からリアルタイムに周囲の3次元の位置情報を解析する。キヤノンの映像解析システムを活用、周囲の障害物などを認識し、高い精度で自分の位置を確認できる。ほぼ開発が終わり、2022年春から商談を始める予定だ。

シコウは北菱電興の金沢市の工場に20キログラムまで運搬可能な試験機を納入した。長さ15メートル程度の距離で、電子基板を載せたラックを運ぶことに使い始める。今後、数カ月程度、旋回させたり、運ぶルート距離を変えたりする。人が台車で運んでいたのを代替した。

シコウの藤井敬士社長は「社外で試験機を使っもらい、意見を聞くことができるのは助かる」と話す。価格は積載できる重量などに応じて異なるが「500キログラム積載の平らなボディーで300万円程度、磁気テープで100万円かかる軌道式と同じ性能であれば、無軌道は400万円以下にしたい」としている。食品関連の企業を中心に10件以上の引き合いがあるという。

北菱電興が試験機の場を提供したのは、事業領域を広げるのが目的だ。同社は三菱電機の代理店としてさまざまな機器を製造業向けに販売する一方、あらゆるモノがネットにつながる「IoT」を活用した工場の効率化支援も手掛けている。工場を見学してもらい、効率化の手段の1つとしてAGVを提案する。

北菱電興は「生産性向上を図るため、頻繁に工場内のレイアウトを変更するお客様がいる。無軌道であれば、レイアウト変更に対応しやすい利点がある」としている。同社のIoT技術を活用し、AGVにモノを運ぶ以外の機能を加えることも計画する。例えばカメラと音声通話の機能を追加し、工場現場と監督者がコミュニュケーションできる仕組みなどを検討する。

富士経済によると、国内のAGV市場は20年実績で177億円。自動化のニーズは高まっており、25年で268億円程度に拡大すると予測する。

シコウは工場内の部品搬送のほか、大型施設内で機材や食事を運ぶといった用途に合わせて受注してきた。21年12月期の売上高見通しは約7億円。藤井社長は「北菱電興のIoTなどの知見によって、食品以外の業界に広がり、社会貢献につながる」と期待する。

北菱電興の21年11月期の売上高は190億円程度。亀田充理事は「重いものを人が運ぶのは負荷になり、ケガをする可能性もある。工場などが働きやすくなる点でも、AGVは魅力的」としている。

(石黒和宏)

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