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石川・七尾の創業応援カルテット、開業累計100件突破

石川県七尾市や七尾商工会議所、のと共栄信用金庫など官民でつくる「ななお創業応援カルテット」が活動開始から8年で開業実績が100件を突破した。ユニークな店舗が誕生したり、移住者が新たなビジネスを立ち上げたりしている。七尾市を含む能登地域は人口減が課題で、関係機関は雇用の場となる創業への期待が大きい。

七尾駅から徒歩15分ほどの場所にある寝具販売店「Sleep inn」。2022年春にオープンしたばかりだが、市外からも訪れる客もいる。「眠りのトータルサポート」を掲げ、姿勢を整える靴など寝具以外も扱う。ヘッドスパも利用できる。

代表の中川裕介さん(47)は同市内の老舗寝具店の4代目。親の店で仕事をする中、「寝具以外を含めてお客様の睡眠を支援したい」と考えるようになった。七尾商議所への創業相談がきっかけとなり、カルテットの支援につながった。「事業計画づくりだけでなく、スタッフとの役割分担、営業での情報技術(IT)活用などさまざまな助言をいただいた」と振り返る。

2014年、七尾商議所、のと共栄信用金庫、日本政策金融公庫、市の4者がカルテットを発足させた。人口減や廃業などに対応するのが狙いだ。その後、能登鹿北商工会(七尾市)を加えた5者が連携する。セミナーや窓口相談、資金調達といった支援がワンストップで段階に応じて受けられるのが特徴だ。

開業累計は16年度中に50件を突破。新型コロナウイルス禍でペースダウンしたが、22年10月時点で104件に上る。日本公庫北陸創業支援センターの松宮俊隆所長は「1つでも多く創業しようと、各機関のベクトルが一致している」と話す。

創業者の中には移住者も目立つ。石川県外の在住者の相談から19件の開業につながった。七尾湾沿いの宿泊施設付きレストラン、オーベルジュを経営する平田明珠さん(36)もその1人。東京都出身で、都内の飲食店で修業した。能登の食材に魅力を感じて16年、七尾市に移住し、イタリア料理店を開いた。

店が軌道に乗り、現在のオーベルジュにつながった。平田さんは「高級なコース料理というコンセプトをカルテットの方は後押ししてくれた」と振り返る。移住者が開いた飲食店はほかにもある。七尾商議所は「能登の里山里海の資源、風光明媚な景色という環境が大きい」と話す。

カルテットは22年度、相談者とカルテットの全メンバーによる打ち合わせの場「寄ってたかっておせっ会議」を運用するなど支援を手厚くした。100件突破は通過点として、地道に創業を後押しする考えだ。

(石黒和宏)

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