/

四国地銀、本業堅調も与信費用が重荷 21年3月期

四国4県に地盤を置く地銀8行の2021年3月期決算が出そろい、本業の利益を示すコア業務純益(投資信託解約損益を除く)は前年同期と比べて全行で増加した。新型コロナウイルス下の資金繰り需要で貸出金残高が伸び、コンサルティング業務など手数料収入も増えた。一方で純利益は5行で減少、与信費用が左右する結果となった。

決算について会見するトモニHDの中村社長(14日、高松市)

新型コロナによる需要の減少は地域経済に大きな影響を及ぼし、地域金融は企業の倒産を防ぐため資金繰り支援を急いだ。その結果、2021年3月末の貸出金残高は、前年3月末と比べて全行で伸びた。

阿波銀行では平均残高が初めて2兆円を超え、貸出金利息が増えたことで資金利益の増加につながった。大西康生副頭取は「新型コロナの影響が広がる中、本業での収益は堅調だった」と述べた。伊予銀行は外貨の有価証券残高の増加や経費の節減を背景に、コア業務純益が前期比9%増となった。

本業が伸びる中、将来的な貸し倒れの増加に備えるための与信費用が純利益の増減を左右した。伊予銀は与信費用に同55億円増の125億円を計上したことから純利益は4%の減。徳島大正銀行と香川銀行を傘下に持つトモニホールディングス(HD)は「与信費用が想定よりも積み上がらなかった」(中村武社長)ことや合併による経費削減効果から、純利益が23%増となった。

百十四銀行は与信費用が52%減の22億円となったものの、新型コロナなどの影響を受けて保有する有価証券の株価が下落したとして約70億円の損失を計上したことが響いた。

足元では感染症が再拡大しており、収束時期によっては地銀の22年3月期決算で与信費用が重荷となる可能性がある。無担保無利子融資などの各種支援策により倒産件数は抑えられてきたが、東京商工リサーチ高松支社の調査によると、四国のコロナ関連倒産は増加基調にある。

各地銀も警戒感を強めている。愛媛銀行の西川義教頭取は「顧客の苦しさがまだ表面化しておらず、与信コストは今後増えるとの見方をせざるをえない」と述べる。伊予銀は与信費用が90億円と高い水準になると見積もっており、「金融機関として経済の安定化機能が非常に大事」(三好賢治頭取)と信用コスト引き当ての重要性を強調する。阿波銀も与信費用を手厚くすることから、21年4~9月期は減益見通しだという。

顧客を不良債権化させないためにも、今後は資金繰り支援だけでなく、IT化や事業転換など取引先の売り上げを回復させる支援策が欠かせない。高知銀行の森下勝彦頭取は「取引先の販路開拓や事業性評価をベースとした経営アドバイスを強化する」と支援を継続していく考えを述べた。

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

新型コロナ

新型コロナウイルスの関連ニュースをこちらでまとめてお読みいただけます。

ワクチン・治療薬 休業・補償 ビジネス 国内 海外 感染状況

関連トピック

トピックをフォローすると、新着情報のチェックやまとめ読みがしやすくなります。

セレクション

トレンドウオッチ

新着

注目

ビジネス

暮らし

新着

注目

ビジネス

暮らし

新着

注目

ビジネス

暮らし

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン