群馬のティープロダクト、QR使い現地でふるさと納税 - 日本経済新聞
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群馬のティープロダクト、QR使い現地でふるさと納税

ブライダル事業や地域活性化事業などを手掛けるティープロダクト(群馬県高崎市)は、現地で寄付して返礼品も受け取れる、ふるさと納税のサービスを開発した。ゴルフ場や宿泊施設に設置したQRコードを読み取り、必要事項を入力して、施設の利用券などの返礼品をその場で受け取る仕組みだ。ふるさと納税をより手軽にするほか、現地に足を運ぶ人を増やして地域の観光振興につなげたい考えだ。

サービス名は「ふるさとタッチ」。現地を訪れた人がスマートフォンなどで施設にあるQRコードを読み取り、住所やクレジットカード情報などを記入。寄付が完了すれば、その場で返礼品を受け取ることができる。確定申告などに必要な書類は後日、郵送で届く。

群馬県下仁田町が2022年12月から、町内のゴルフ場「下仁田カントリークラブ」で導入している。年内に5件の寄付があったという。同県渋川市でも、23年2月から市内2カ所のゴルフ場で利用を開始する予定。下仁田、渋川いずれもそのゴルフ場で使える利用券が返礼品となる。また、渋川では伊香保温泉(同市)の温泉旅館でも導入する方針。県外では山形県の1町でも導入が決まっている。

自治体が利用しやすいように初期費用、運転費用などを無料にしたことが売りだ。納税額の10%(税別)を利用料として受け取る。同社は渋川市、富岡市、下仁田町の3市町からふるさと納税事業を委託され、運営している実績があり、ふるさと納税制度の仕組みには精通しているという。同サービスの開発には約500万円を投資した。

平児玉博樹社長は「今、ふるさと納税は欲しい返礼品に対して寄付している形で、これが本当に地方のためになっているのか疑問だった。現地を訪れてお金を落とすのが本来のあるべき姿なのではないか」と語る。そうした考えから、ふるさとタッチを「訪問型ふるさと納税」と銘打っている。

現地で寄付をするふるさと納税としては、自動販売機型も注目を集めている。県内では、川場村の道の駅や安中市の宿泊施設などで導入されている。ただ、平児玉社長は「自動販売機は初期費用がかかるので、取り入れにくい自治体もあるのではないか」とみる。

今夏にはふるさとタッチのウェブサイトを刷新し、同サービスが利用可能な施設を一覧できるようにする計画で、より観光客を呼び込みやすくする狙いだ。将来は、100自治体での導入を目指しており、ふるさとタッチを利用した納税総額を50億円にしたいという。

ティープロダクトは01年創業。ブライダル事業が中心だったが、16年からふるさと納税や6次産業化などの地域活性化事業にも参入した。22年8月期の売上高は2億円、経常利益は1000万円だった。(田原悠太郎)

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