サイクルトレイン発進! ひたちなか海浜鉄道が実証運行

自転車を解体せず列車内に持ち込める「サイクルトレイン」の導入機運が茨城県で高まっている。ひたちなか海浜鉄道(ひたちなか市)は県や同市と協力し、初めて実証運行した。イベント中止やテレワーク拡大で鉄道利用が減る中、新たな顧客開拓に向けて本格運行の可能性を探る。

通常の車両に1両増結し、5日に実施した。市民サイクリストら10人が金上駅で自転車を乗り入れ、のどかな風景を見ながら阿字ケ浦駅に移動。同駅から国営ひたち海浜公園の外周や海岸沿いを走るルートと、海岸沿いから那珂湊の街中を走るルートに分かれてサイクリングを楽しんだ。

同社は乗車・降車時と移動時の快適さや安全性を考慮し、本格運行を検討する。吉田千秋社長は「市民からいただいた声を反映して前向きに検討したい」と話した。
鉄道会社ではJR東日本水戸支社が水郡線でサイクルトレインを4月以降の土曜・休日に通年運行。鹿島臨海鉄道(大洗町)も大洗鹿島線で20年から実証運行してきた。県内に「つくば霞ケ浦りんりんロード」「大洗・ひたち海浜シーサイドルート」「奥久慈里山ヒルクライムルート」のコースがあることから県も導入を推進している。