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金沢工大、産学協同教育を拡大 サイバー対策など

金沢工業大学は学生が専門に近い業務に従事する「コーオプ教育」と呼ばれる産学協同教育を拡充している。2020年度にデータサイエンティスト分野でNTT西日本グループと連携したのを手始めに、21年度はサイバーセキュリティー分野でNECグループと取り組む。社会課題の解決につながる専門人材の育成につなげるのが狙いだ。

20年度に実施した「コーオプ教育」の成果発表会

「大事にしているのは職業体験ではなく、実際の業務。学校を離れて企業の一員として取り組むことで、社会や地域が抱える問題を把握できる」。コーオプ教育の事務局の担当職員はインターンシップとの違いを強調する。

対象は大学院に進学予定の4年生または大学院生。まず、企業の第一線で活躍する技術者を「実務家教員」として招き、8回程度の講義を受ける。その中から企業が選抜した学生が実際に4カ月程度、その企業で働く。業務に従事すれば大学院の単位(4年生は進学後)になる。

20年度はNTT西日本グループとデータサイエンティストの教育プログラムに取り組んだ。10人の受講者の中から4年生2人がコールセンター運営のNTTマーケティングアクトの従業員となり、コールセンターで収集したデータ分析に取り組んだ。「生のデータを扱ったのは貴重な経験」「ビジネス力が身についた」など学生から好評だったという。

21年度は新たにサイバーセキュリティーと通信の分野でも教育プログラムを立ち上げる。このうち、サイバーセキュリティーはNECソリューションイノベータと連携する。同社の社員による講座が始まっており、秋には選抜された学生がサイバー攻撃への対応や解析に関連する業務に従事する。

全国的にサイバー攻撃に対応できる人材不足が課題になっている。金沢工大は実践的な学びを求めてNECグループに協力を依頼し、実現したという。「企業側としても学生が従事する業務により得られた成果物をいかすこともできる」(NEC広報室)と歓迎する。

金沢工大は問題発見から解決にいたる過程や方法をチームで学ぶ「プロジェクトデザイン教育」が全学生必修だ。石川県内の自治体からテーマを出してもらい、情報技術など専門分野を生かし解決策を提案している。同大学は「学外で学ぶことに興味を持つ学生も多く、コーオプ教育の関心の高さにつながっている」としている。

(石黒和宏)

▼コーオプ教育 米国が発祥の産学協同教育。教育プログラムを大学が中心になって作成し、学生が企業で専門に関連した業務に数カ月以上従事する。給与も原則として支給されるほか、事前に大学でその業務に必要な講座などを学ぶ。就業体験が優先される一般的なインターンシップとは期間の長さなどが異なる。
コーオプ教育に取り組む大学はまだ少ない。文部科学省が大学などを対象にしたインターンシップの調査によると、実施期間は2週間未満が多く、3カ月以上は5%程度にとどまっている。短期間のインターンシッププログラムは学生を受け入れる企業がつくり、学生の専門に関連した業務に限定されないケースが多い。

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