ファナック創業者の稲葉氏、山梨県名誉県民に 特別展も

山梨県はファナック創業者の故稲葉清右衛門氏を名誉県民に選定し、9日に長男で同社会長の善治氏を招いて顕彰式を開いた。ファナックを世界屈指の企業に育てた稲葉氏の功績を伝える特別展示を同日、県庁別館内にある山梨近代人物館の旧知事室で始めた。名誉県民はノーベル生理学・医学賞を受けた大村智氏に次いで2人目。
稲葉氏は1980年に山梨県忍野村に工場を建設し、84年には東京都日野市にあった本社を同村に移転した。顕彰式で長崎幸太郎知事は「事業活動を通じて地域経済の発展や県財政に絶大な貢献をした。県民の誇りである」と稲葉氏をたたえた。
特別展では稲葉氏の経歴やファナックの企業理念・歴史などを写真や映像とともに紹介。同社の小型産業ロボットの実機も展示している。期間は2023年3月27日まで。

顕彰式に出席した善治会長は「顕彰の名誉に恥じぬように役員と社員は社業の発展と地域の貢献に全力で取り組む」とあいさつした。また特別展について「ファナックのことを理解していただくありがたい機会。これからも富士山の麓の自然景観を大切にしながら経済の発展に役立ち、自然や県民の皆さんと共存できるようにしたい」と語った。