長岡技術科学大学、食器の使い心地を数値化 企業と協力

長岡技術科学大学の中川匡弘教授らは、洋食器の山崎金属工業(新潟県燕市)と共同で、スプーンやフォークの使い心地を数値化して表現することに成功したと発表した。専用の装置で食器を使う人の脳波を調べると、高品質な製品が優れていると数値的にわかった。同社では、販促活動などへの利用を検討している。
実験では、一般的に普及している製品と形状や表面の粗さが同じ「基準品」と、山崎金属工業の技術で表面が滑らかになる加工を施した「高仕上げ品」を比較した。使い心地は、食べ物への食器の「さし心地」と口から食器を引き抜く際の「口抜け感」、金属臭の3点についての脳波信号を測定した。
20人の被験者の数値を解析したところ、高仕上げ品の方が基準品の3~6倍程度「心地よい」ことがわかった。山崎金属工業によると、製品の良さを利用者にわかりやすく伝えるために客観的なデータによる表現が課題だったという。同社の担当者は「職人の技能を可視化する際にも利用したい」と話した。
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