サカイオーベックス、上場廃止へ MBOが成立
染色加工のサカイオーベックスは9日、松木伸太郎社長が設立した企業によるMBO(経営陣が参加する買収)のためのTOB(株式公開買い付け)が成立したと発表した。買い付け予定としていた567万5533株のうち478万5854株の応募があり、設定した下限を上回った。同社のIR担当者は「年内にも上場廃止となる見通し。今後も企業価値向上に努める」と話した。
TOBは松木社長が1月に設立したサカイ繊維(福井市)が実施し、今回のTOBで議決権の77.27%を保有することになる。サカイオーベックスによると、松木社長は留任する。買い取り価格は1株あたり3810円で、9日時点の終値より5円高い。
MBOの募集開始時点では、今後は染色加工事業などの東南アジアでの新規拠点の設立、制御機器事業におけるM&A(合併・買収)などの事業構造改革に取り組むとしていた。同社のIR担当者は「9日時点で改めてお話しすることはない」とした。
筆頭株主で旧村上ファンド系投資会社のシティインデックスイレブンスは、保有する同社株式(51万5600株)について今回の買い付けに応募しない契約をサカイ繊維と結んでいた。今後も株主として残り、企業価値向上に向けた支援を実行することで同意しているという。
サカイオーベックスの2022年3月期の連結純利益は前期比3%増の14億5000万円の見通し。同社は2月にもMBOを実施していたが、不成立となっていた。
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