東海第2原発、自治体首長が視察 防潮堤工事など
茨城県東海村と周辺5市で構成する原子力所在地域首長懇談会は9日、日本原子力発電(原電)東海第2原子力発電所(同村)の安全対策工事を視察した。津波対策の防潮堤などの工事現場を回り原電と意見を交換した。2021年に引き続き2年連続の開催で、首長らからは工事の進捗を実感する声が聞かれた。

防潮堤は、鋼管杭の約4割にあたる240本を打ち終えた。杭の周囲に鉄筋を設置。コンクリートを流し込み、海抜約20メートル、厚さ3.5メートルの壁を作る作業が進んでいる。
緊急時対策建屋の建設が進む様子も視察。現在の施設では、所員が被曝(ひばく)するおそれがあるため災害の際、対応にあたる所員らを収容できる施設(敷地面積約1440平方メートル)を原子炉建屋から離れた高台の上に建設中だ。

原電は新規制基準にかかる安全性対策工事を24年9月までに終えるとしている。同社の村部良和・東海事業本部長は「安全に工事を進めるとともに、住民の理解を得られるよう広報活動を充実させる」という。
東海村の山田修村長は「終了予定時期が延びたなか、工事が進んでいることが理解できた」と話した。意見交換会では工事の内容についての質問に加え、終了後の検査の品質についても説明を求める声があった。現時点で首長懇談会として具体的な要望などを出す予定はないという。