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浜松市、阿蔵山を工業用地に 天竜区の活性化に期待

浜松市は同市天竜区にある阿蔵山の市有地を工業用地にし、2028年度の分譲開始を目指す。宅地化する当初の開発計画が頓挫し、長年にわたり活用法を検討していた。建設中のバイパスで交通アクセスを改善し、市内外から企業を誘致する。浜松の産業力を高め、過疎化の進む天竜区の活性化にもつなげる。

「地域産業の持続的な発展を見据え、戦略的な企業誘致に取り組む」。鈴木康友市長は市議会2月定例会の本会議でこう述べた。

阿蔵山の市有地は約34ヘクタールで、天竜区の南端にある。新東名高速道路の浜松浜北インターチェンジ(IC)から近い好立地を生かし、工業用地にする。市は新東名高速から用地へのアクセス道路となる「国道152号浜北天竜バイパス」の整備を進めている。用地を縦断する未完成区間の工事は27年度の完成を目指す。分譲開始は28年度となる予定だ。

阿蔵山の土地開発事業の始まりは1980年代にまで遡る。合併前の旧天竜市が宅地分譲を目的に始めたが、バブル経済崩壊で採算の見通しが立たなくなったことや、人口減少で大きな需要が見込めないことなどにより頓挫した。浜松市が事業を引き継いだ後は、工業用地化を含めた活用案が検討されてきた。

東日本大震災後の防潮堤建設では土砂の採取場となっていたが、建設は20年春に完了。道路整備にもめどがたったため、方針を決めた。用地の都市計画上の用途はまだ住居系となっているため、24年度をめどに工業系用途に変更する。

市は企業誘致を創業支援などと共に産業施策の柱の一つに据える。1000平方メートル以上の製造業の新規立地件数は年間20件ほどと全国的にも高い水準で推移している。17年に分譲を始めた同市北区の「第三都田地区工場用地」(約35ヘクタール)は2月に満床となった。企業立地を促進する補助金制度も生かし、阿蔵山の用地を新たな企業集積地とする考えだ。

企業立地推進課長の川合比呂志氏は「天竜区の活性化にもつなげたい」と話す。天竜区は高齢化率が46%と市内で突出し、過疎化も著しい。若者の流出が進んでいることが一因だ。阿蔵山の用地は市中心部から見て天竜区の玄関口にあたる。働き場をつくることで域外からの移住も含め、天竜区の定住人口を増やしたい考えだ。

市は用地から直線距離で約1キロの船明(ふなぎら)地区の区画整理も進めている。約44ヘクタールの土地を宅地化する計画で、用地とつながる道路も整備を検討する。「職住近接で自然もある。買い物が便利な浜北区にもアクセスが良い」(市の担当者)。宅地化事業と絡めた相乗効果も期待されている。(北戸明良)

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