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酒かす活用、秋田で広がる 県が7月に研究会

酒どころの秋田県で、醸造過程で生じる副産物の酒かすを活用する動きが広がってきた。県は7月、新たな活用法を探る研究会を立ち上げる。地元企業では加工食品に加え、入浴剤などに利用する試みがある。県中小企業団体中央会も企業の取り組みを後押しする。

秋田県総合食品研究センター醸造試験場は7月上旬にも、酒造会社と連携し「酒かす利活用ネットワーク」(仮称)を組織する。県酒造協同組合員の34社に参加を呼びかけ、利活用に向けた情報交換や対応を話し合う。醸造試験場が事務局になり、畜産試験場や農業試験場といったほかの県研究機関とも連携を探る。

まず酒かすの機能性を探る研究が中心になる。酒かすはタンパク質やビタミン類などが豊富だが、これまで報告されていない新たな機能性成分について研究する。

将来は大量に活用するうえで必要な技術開発も視野に入れている。例えば家畜用飼料への活用では、どのような成分が牛や豚などの健康状態、肉質に効果があるかを具体的なエビデンス(証拠)に基づいた検証をする。

また酒かすをペレット状にし、酒米を生産する水田の肥料に使えないか探る。酒かす由来の成分を肥料に使うことで稲の生育に好影響を与えられれば、環境問題に目配りした秋田ならではの「循環型農業」につながる。

醸造試験場が主導し、こうしたネットワークを立ち上げる背景には「酒かす処分の対応に苦慮する酒造会社が増えている状況がある」と進藤昌・場長は指摘する。

秋田県はいぶりがっこに代表される漬物が食生活に根付いた地域。だが若者が漬物を敬遠するなど、需要が減少している。酒かすは加工や流通が難しく、一部の有名銘柄を除けば引き取り手がない。費用を負担して産業廃棄物として処分する酒造会社も少なくない。

酒かすを加えてつくるチーズテリーヌにはコクとうま味が加わる(秋田キャッスルホテル)

酒かすの特性に着目する一方、こうした課題解決に役立てようとする企業が増えている。秋田を代表する老舗ホテル、秋田キャッスルホテル(秋田市)は地元酒造会社の酒かすを使った商品を開発してきた。クッキーなどに加え、今月1日にはスイーツ「熟成酒かす香るチーズテリーヌ」を発売した。酒かすを活用し、うま味とコクを加えた。

食品製造・加工の三吉フーズ(大仙市)は8月をめどに、「高清水」醸造元の秋田酒類製造(秋田市)などの酒かすを使った入浴剤を発売する。コロナ禍に伴う「巣ごもり需要」の掘り起こしを目指す。

同社はこれまで酒かすに着目した商品開発を進めてきた。塩を製造する過程で酒かすを混ぜた「秋田のこだわりの塩」を企画し、台湾に輸出した。現地企業を通じ、5月下旬から高級スーパーなどで販売している。

県中小企業団体中央会も企業の取り組みを後押しする。2020年末には県内の食品会社など5社が連携し、酒かす関連商品の魅力を発信するフェアを開いた。

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